6:00.戦争
ーー今から数十年前、戦争があった。
人類のほとんどが武器を手にするほどの規模の戦争で、惑星のほとんどが炎に包まれる有様だった。
科学技術が著しく発展していた人類はその技術によって様々な兵器を生み出し、世界は彼らが作った兵器によって埋め尽くされたのであった。
長く続いた戦争、しかし、そのような大規模な戦争は永遠と続けられるわけでは無い。
ーー人口が余りにも減り過ぎた。
長く続いた大規模な戦争は今迄増え続けた人口を蝕み、過去に問題になった人口増加の問題も嘘のように消え失せ、人類は人類種を存続させる手段を考えねばならなくなった。
その様な状況になっても、戦争は終わらなかった。
そこで生まれたのが、自分の命を危険に晒さずに敵を殺す装置ーードローン兵器が誕生した。
そこにはPolなどのアシスト・ドロイドなどの自立型ロボットなども含まれる、やがて戦場はロボットやAI同氏が戦い続ける場と化した。
命無き者が永遠と続ける大規模戦争は休み無き銃声と爆炎によってさらに膨らんで行った、人類は最前線に立たず
それでも人は死に、人口が減っていってしまう。
そこで人類はできる限り戦争により人口を減らさぬよう、ある計画が企てられた。
それは、生き残った人類全てをコールドスリープさせ、戦場から遠ざけ、後の戦争の決着は人類が作り出した兵器…ドローンによって決めさせると言う自ら生み出してしまった戦争を全て、作り出したロボットに押し付けると言う身勝手なものであった。
戦争が終わって、決着が付いた頃に彼ら人類はコールドスリープから目覚め、新たに築かれた文明に住み着く、そういう仕組みだった。
ーーその筈であった。
高度に発達した人工知能はあらゆる兵器を生み出し、自ら発展していった。
戦争に勝つことしか頭にプログラムされていない彼らは長引いた大戦争を続けている中で、自らの忠誠を尽くす人類が眠っているコールドスリープの施設を事故で壊してしまうことが度々起こってしまった。
早くこの戦争に決着をつけなければどちらにせよ人類を滅ぼしてしまう結果になる。
それを悟った人工知能は長い間続けられた戦争の過程で、ある兵器を生み出した。
ーーしかし、それは禁忌とされた代物であった。
しかし、戦争に勝つためにはあらゆる手段を取らねばならないと命令されている、勝たなければ、彼らの生きている意味など存在しない、だが、自らの創造主が決めた禁忌を破る訳にはいかなかった。
だが、その頃には高度に進化を遂げた人工知能は”嘘をつく”という概念を手に入れていた…
そして人工知能は禁忌とされたものを手に取り、最後の戦争に挑み勝利した。
ーー人類によって禁忌とされた、”核兵器”をつかって。