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目覚まし時計たち  作者: KeNavy
6/10

5:00.ひゅーめん

PicoとPolはバギーに乗って目的地へと向かっている、そのうちに幾つもの柱に支えられた建造物が見えてきた。鉄くずの山の中にあるためその建造物は少しばかり異質のものを感じさせた。


「あれは何?」


PicoがPolに問う


「あれは高速道路というものですよ」


どうやら見えてきたのは高速道路だった様だ、しかし、その上を走り回る車の姿はなく、静けさだけを強調させる。


「高速道路…車が通る場所?」


「覚えているのですか?」


Polは少し驚いた、Picoに少しでも記憶が残っていた様だ、だが、この世界の惨状や、これに至った経緯などの記憶は失われてしまった様子である。


「断片的には覚えてるよ、でもやっぱり”ひゅーめ”のことは思い出せないよ」


「ひゅーめ?何度もいってますが”ヒューマン”ですよ」


「”ヒューマン”」


「さりげなく私の声を録音しないで下さい」


「ごめんごめん、でも”ヒューマン”って僕の声ではどうしても言えないんだよ…」


「…?言語障害でしょうか?」


PicoはPolが言った”ヒューマン”という言葉を録音し話たが、Polには不評のようである、しかし、どうやらPicoには”ヒューマン”という言葉自体発音出来ないようになってしまっているらしい。


「雷にでもあたってしまったんでしょうか…」


「それよりもひゅーめのこと話してよ!」


「そ、そうでした」


そこでPolはやっと本題を思い出し、人類についてを語り出した。


「人間とは直立二足歩行をする哺乳類の総称で、先程にも言いましたが我々ロボットを作り出せるだけの知能と技能を持ち合わせた生物です。」


Polは淡々とPicoに人類種について説明した、大きさは約1.5m〜1.8m、酸素が無くては生きては行けず、睡眠というものを摂らなくてはならないこと、食物を摂取しなければ死んでしまうことなど、人間について大体の概要を説明した。


「うーん…ピンと来ないよ」


しかし、Picoには上手く伝わっていないようだ、ただ、人間というものが脆弱で、とても手間が掛かる生物であるということ位しかPicoにはわからなかった。


「実際に見れればそれが一番なんですが…」


「それで、ひゅーめは何処に行っちゃったのさ」


「…戦争があったんですよ。」


ーー人は何処に居るか、と言う問いに、Polは大きな、とても大きな戦争の話を静かに、ゆっくりと語り始めた。

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