4:00.くえすちおーん
Polが運転するバギーに乗って、PicoはPolの友人がいるという場所へ向かいつつあった
「ねーねー僕にもこれの運転出来ないの?」
Picoはこのバギーを自由自在に操るPolのことが羨ましくなって来たようだ、たまらずPicoはPolへそう尋ねた。
「それは無理ですよ」
Polがそう否定する、どうやらこのバギーは車両制御専用のアシスト・ドロイドにのみしか動かすことが出来ないらしい、Polはいま、頭部のみを車両から出している状態で胴体、脚部それに腕部のアームも車両の中に格納されている。
「どうやらあなたもアシスト・ドロイドの一種の様ですが、車両専用のものでは無いですね」
Polの言うとおり、車両専用型のアシスト・ドロイドであるPolの胴体の断面はバギーに空いている三角形のソケットのように、三角形になっている
「ふぅん…」
Picoは残念そうにうつむいた、確かに車両専用型であるPolとは異なり、Picoの胴体の断面は円状になっており、とてもバギーについているソケットに入れるとは思えない。
「しかし、あなたもアシスト・ドロイドであるようなのでなんかしらはコントロールできるでしょう、あなたが入れるようなソケットは見たことありませんが…」
PolはPicoが入れるようなソケットを見たことが無いらしい。
「あなたはどのような仕事についていたのですか?」
PolはPicoに聞いてみる、もしかしたら自分で覚えているかもしれない。
「うーん、覚えて無いや…」
どうやら本人も忘れてしまっているらしい、Polは自分の予想があっていることを確信したが、当然思っていた問題が浮上してくる。
ーー何故、彼は動いているのだろう。
通常であるならば、自分のするべき仕事が分からないロボットは自分の存在意義自体を忘れてしまっていると先ほども言ったが、本来、存在意義を忘れてしまっているロボットは|起動すらしない≪・・・・・・・≫はずなのである。
自分のするべきことが分からない、まだ人間からの指示が無いロボットは命令あるまでその場で待機、もしくは電源を切ってしまうだろう。しかし、現にPicoはこうして動いている、Polは疑問に思った、
ーーでは一体、彼は、Picoは一体何にすがりついて生きているのであろうか。