2:00.へろ~
小柄の方のロボット、もとい水筒型のロボットPicoはバギーの隣に佇んでいる長身のロボットに話しかけることにした。
Picoが長身のロボットのそばに近づいても長身のロボットは反応するそぶりすら見せない、Picoはまずこの長身のロボットが起きているのかどうか確かめることにした。
まず、目の前で手を振ってみるがまだ反応してくれない、電源は入っているようだから彼も動けるはずである。
どこか故障しているのかと思い、Picoは横から長身のロボットの頭部をたたいた。
「いったい何のご用でしょうか?」
やっと、長身のロボットが反応を示してくれた、どうやら故障であるということではないらしい。
「君はいったい何をしているの?」
と、Picoは質問を投げかけてみる
すると長身のロボットが答える
「待っているのですよ、ずっと・・・」
「待っているって、だれを?」
長身のロボットはまるで長い長い時の流れを感じさせるような抑揚でこう答えた。
「…人間を」
「ひゅーめ???」
しかし、Picoには人間という言葉の意味を理解できなかったらしい
これには思わず長身のロボットも驚いたらしくPicoへ向き直った。
「あなたは人類の存在を忘れてしまったのですか?」
「?}
驚いたことにPicoは人類の存在自体を忘れ去ってしまっているような反応を示した。
さすがの長身のロボットも困り果ててしまい、同時にPicoを心配した。
元来、人間の補助をするべくして誕生したロボットが人間の存在を忘れてしまったということは自分の存在意義そのものを失ってしまっている状態に他ならないからである、そのような状況下で行動しているPicoは今とても不安定な状態であるはずだ。
「ヒューマンとは我々が仕えるべき主であり創造主です。」
「創造主?」
「ええ、我々ロボットは人間達が作り出した者なのです。」
「おお!ひゅーめすごい‼︎」
「ヒューマンです」
「ひゅーめにあって見たい!何処にいるの?」
人類について興味を持ったPicoはどうやら人間にあって見たくなったようだ、しかし…
「…」
Picoの一言で長身のロボットは急にうつむき出してしまった。
「ーー人間達には会えないのですよ…」