1:00.ばいざうぇ~
ーー砂塵が吹き荒れ、大地を覆い尽くすほどの鉄くずの山の中、静かな静かな世界で…。
一体のロボットが、さびた鉄くずの間にかろうじて顔を覗かしている地面を伝いながら歩行している。
ロボットというと仕事をこなすためだけのために生まれるのものである、しかしこのロボットは仕事をするでもなく、ただただ呆然と前を向きながら歩いている…いや呆然としているのではなく、何も考えていないのかもしれない。
彼は突然子の鉄くずの山しか存在しない世界で目が覚め、自分の知るべき仕事を見失ってしまっているのであろう、彼は自分のすべき仕事を探し出すべくただただ歩いているのだ。
錆びついた残骸の中を歩いていくとより開けた場所画と出た、ずいぶんと砂に埋もれてはいるが舗装されてある様子が見える、どうやらかつて道として使われていたもののようである、彼は道に沿って歩いていくことにした。
誰かがある程度整理しているのであろうか、その道はまっすぐに延び、車両は走って等はいないが道の途中が鉄くずによって埋もれ手はおらず、道としての役割を果たしており、いつでも使用できるような状態に維持されているようである、しかし、ところどころ砂がかぶり、まっすぐに伸びた道路の先は砂塵によってどこまで伸びているのか判断できない、その状態がかえって何か寂しさを感じさせる。
しばらく道を歩いていくと、一台の車両が見えてきた、バギーのような形で大きなタイヤが目立つ。
その車両の横にロボットが佇んでいた。
三角帽をかぶったような頭部をし、その下には細い胴体が伸びている、脚部も長くやたら細いという印象が残るロボットである、どうやらあのバギーのような乗り物は彼の所有物であるようである。
彼の頭部に搭載されたモノアイは水筒のようなロボットの姿をとらえず、ただ前だけを見つめている。
--そのロボットは何をするでもなくただその場で棒立ちしており、バギーのような乗り物のタイヤの横でまるで何者かを待っているようにして佇んでいた…