始まり
『黒猫』こと畔です。Red teaは、『lupino』と『無限ホール』をコラボした作品です。キャラの説明などはきちんとしていくつもりなので、気軽に読んでやってください☆
ふわふわと宙に浮いているみたいだ。暖かい。まるで何かに包まれているような感じ。ここはどこだ?
少なくとも、俺が知っている場所じゃない。俺がいたところはもっと寒かった。
「――――」
声が聞こえる。
「おい」
「うっ……」
―――頭が痛い。
「目が覚めたか」
声の主は特に心配する様子もなく、淡々と言い放った。
「さっさと起きろ」
どうやら、頭上から声をかけられているらしい。俺は顔を上げ、そいつの顔を見た。そいつはまるで人形のような顔をしていた。怪訝な顔をしていたが、その他は何の表情も浮かべていない。俺はゾッとして身震いをする。気付いたら俺は、そいつに魔法弾を撃ち込もうとしていた。やばいっ、と思ったがその時にはもう遅い。……はずだった。
「……あれ? 魔法が使えない……?」
俺は困惑した。今まで普通に使えていたのに。
「それもそうだろう。ここは我の庭だ」
「え……?」
何こいつ、すっげぇカッコいいんですけど。
「お前は突然空から降ってきたのだ。我の世界では、魔法なるものは存在しない。恐らく、お前は別の世界からやって来たのだろうな。お前、名は何と言う?」
「リ、鈴。黒澤鈴です」
その時、遠くから新たな声が聞こえた。
「ベビィー!!」
「?!」
何だよ、こいつ。俺は何がどうなってるか分かんねえんだよ。人形の兄ちゃんにここがどこなのか聞くまで邪魔するんじゃねえ。殺すよ?
すると、その男は目を見開いて―――大げさに、驚いた。
「何、この子供? ……もしかして、べビィーの隠し子?!」
人形の兄ちゃん―――ベイビードールという名前らしい―――は、思い切り邪魔男―――スノーという名らしい―――を殴った。躊躇のない殴り方だった。
「そんなわけないだろう。こちらはまた別の世界から来た客人だ。……そうだな?」
確認を取るようにベイビードールは顔をこちらに向ける。
「は、はい!」
こいつは敵にしないようにしておこう、厄介そうだ。
「ふうん。俺はスノーだ。えっと、君は?」
鈴が答える前にベイビードールが答える。「鈴だ」
「鈴~、どこにいるの? ……あ」
鈴の双子の姉、玲だ。彼女はベイビードールとスノーに気付き、口をつぐんでしまった。
「これはこれは。今日は可愛い客人が二人も来た。そこの者、名を何と申す?」
「玲よ」
玲は物おじせず、冷たく言い放つ。彼女は基本的に、鈴以外の者に対して冷たいのである。
「女の子は愛想良くしなきゃ駄目だ」
スノーが注意する。ベイビードールが彼を睨んだ。
「黙れ。―――お前たちは、顔がそっくりだな」
「性格はまるで違うわ」
玲が言う。
「うん、確かに」スノーは二人を見比べた後、頷いた。
「あの……」
鈴はおどおどしながらベイビードールに話しかける。
「何だ? そう緊張せずとも良い」
「えっと、あの……。ボ、ボクをあなたの配下に入れてはもらえないでしょうか?」
―――言っておくが、これは演技だからな。厄介になりそうな存在は厄介になる前にどうにかしておく、それが俺の主義だ。メンドくさいことは嫌いだし。




