怪傑!「珍」事件簿
これは、最高裁判所判事の我輩が磯つりに勤しんでいた頃、珍事件に下した判決の事例集である。
およそ99%がノンフィクションによるものである。
第一話 『暗黒のR42の巻き』
この事件は、無事に釣行をすませ、帰路についていたときに突然起こった。
主犯格はやはりこの男、小村である。
和歌山に釣行し、あまりパッとしない釣果に、メンバーたちは、「あかんなー」とぼやきながら車に乗り込んだ。
車は、小村の愛車ゴルフである。日も暮れて42号線は、対向車のヘッドライトがまぶしく反射していた。
ゴルフも快調にとばしていた。
「佐野さん!ゴルフのライト暗くないですか?」
「やっぱりドイツ車は故障が多いわ・・・」
と小村がぼやく。
「そんなに暗くないですよね?ねえ佐野さん」と東田。
「そうやな!別に暗くないな!」と佐野。
「いや!絶対におかしいですわ!今日はライトがむちゃくちゃ暗いわ!!また、修理に金かかるわ・・・最悪や」
と小村がまたまたぼやく。
何台の車とすれ違ったのであろうか・・・
問題が解決しないままただ時間だけが過ぎていた。
・・・と、そのとき、解決は突然やってきた!
佐野が一言・・・
「小村さん!!サングラスかけたままやで・・・・・」
おもむろにサングラスをはずす小村・・・・
「ほんまや!!明るなったわ」
小村の肩が、上下に少し動いていた。
判決:サングラス携帯方法違反
懲役1ヶ月(執行猶予3ヶ月)