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お空の綿菓子 〜こぶたのとんかつのふわふわおやつ〜

掲載日:2026/04/28

お日さまがニコニコと笑って、青いお空にポッカリ、ポッカリと白い雲が浮かんでいます。

とんかつは、大きなあくびをしました。


え?とんかつがあくびですって?

いいえ、違うんです。

とんかつ、というのはね、この春生まれたこぶたの名前なんです。

牧場の山田さんがつけた名前です。

ついでに言うと、山田さんの飼い猫の名前は、おさしみです。

食いしん坊ですね。


とんかつが藁の上でコロコロねころがっていると、近所のユキちゃんが歩いてくるのが見えました。

ユキちゃんは、棒にさした白くてフワフワしたものを手に持って、パクリパクリと食べながら歩いています。


「あ!ユキちゃんだ!」


とんかつはピョンと飛び起きて、ユキちゃんのところに走っていきました。


「ユキちゃん、雲を食べてるの?」

「あ、とんかつ、こんにちは!今日はね、こども会の縁日だったんだよ」

「ユキちゃん、その雲、ボクにもちょうだい」


とんかつは、ユキちゃんの持っているフワフワに鼻を近づけて、においをかぎました。

ふわぁっと甘い香りがします。


「えー?とんかつ、わたあめが欲しいの?しょうがないなぁ、ちょっとだけだよ」

ユキちゃんは、わたあめを少しちぎって、とんかつのお口に入れてあげました。


あまくて、とてもおいしいです。

とんかつは、ブヒブヒと鼻を鳴らして、もっと!とおねだりしましたが、ユキちゃんは「もうおしまい!」と、行ってしまいました。


「雲って、あんなにおいしいんだぁ。もっと雲が食べたいなぁ」


とんかつは、お空を見上げてため息をつきました。


その時。

大きな風がびゅうっと吹いて、とんかつはお空へびゅうんと巻き上げられました。


「わ!わ!ボク、鳥さんみたいにお空を飛んでる!?」


とんかつは、空高くぐんぐんと飛んで行きました。

そして、ふわり、と雲の上に乗ったのです。

雲はフカフカで、甘い香りがそこらいっぱいに広がっています。


「わぁ、雲だぁ」


とんかつは目をキラキラさせながら、夢中で雲をほおばりました。


「あまい、あま〜い」


ブヒブヒ、モグモグ。

ブヒブヒ、モグモグ。


とんかつが、あんまりたくさん食べたものですから、雲にぽっかり穴があきました。

でも、もうちょっと、もうちょっとだけ。


とんかつが首をのばして、ひとくちかじった途端。

雲がちぎれて、とんかつはお空に放り出されました。


「あ!」


とんかつは、まっさかさま。

「もうダメだ!」と目をつぶると、ドサッ!とおしりからどこかに落ちました。


「あれ?やわらかい?」


そこは、牛さんが食べる牧草の上でした。

山のように、ふんわりとした牧草がクッションになって、とんかつはどこにもケガをせずにすんだのです。


とんかつは、安心して牧草の上にコローンとねころがりました。

そして、あまくて、おいしかった雲の味を思い出しながら、すやすやとおひるねをはじめました。

おなかがいっぱいで、眠たくなっちゃったのですね。


お日さまはニコニコと笑って、青いお空にポッカリ、ポッカリと白い雲が浮かんでいました。

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― 新着の感想 ―
かわいいですね~。 ブラック方面だったらどうしようと少しハラハラしたんですが(名前が…笑)、まったくそんなことはなくて、よかったよかった。 綿菓子を雲だと思ったとんかつくん。雲を食べたら本当に甘くて……
めっちゃ可愛いです~。 とんかつの夢ですね!あ、叶っちゃったのかな? さいご牛さんの牧草の上というのも可愛かったです。 読ませていただきありがとうございました。
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