星幽たち その2
まるで、一直線の突風が貫いたかのような、大通りに面した壁に穴があいているエレベーターホールへ着き、適当な狩場となったビルから道路へでる。
このビルの関係者たちが、目を白黒させこちらを見ていた。
シルヴァリアンと人混みの中。
マックへしばらく歩くことになった。
「ねえ、どうしてエレベーターホールの壁に大きな穴が開いていたの?」
「うん? そりゃあ、アンブラルの頭が固かったからさ」
「? アンブラルの頭が固かったから?」
「そうだ。親切なアンブラルが壁に頭から激突してくれたんだ。大騒ぎになったが、そのまま俺を誰もいないエレベーターに案内してくれてだな」
「……すっご」
いつの間にか、腕時計がなくなっていたので、ここソラリス街の空を見上げる、とうに太陽が西の方にだいぶ傾いているから、今は昼過ぎの午後の3時くらいだろう。
とっくに、腹は減っていてフラフラになる一歩手前になった頃には、マックへたどり着けた。
店内は、客が疎らだったので、注文から空いている席へがスムーズだった。
さっそく、ハンバーガーだ。
その時。
ふと、後ろから視線を感じた。
それも、どうやらこんな俺に好感を抱いているような敵意が全くない感じが背筋から伝わるのだ。
俺は、気にしないことにして、シルヴァリアンがおごってくれたハンバーガーにかぶりついた。
「ふふん。熊野さんにもとうとう春がきたわね。さ、長い冬眠は終わりよ。これも、さっきのビルでの活躍のお蔭ねー? あ、熊野さんってカッコイイから。いずれこんな日も来るんだわ。まあ、カッコイイなと見える人は一部の人間にはだけど……」
「……一部はないだろ。一部は……」
「そうねえ、決してカッコよくないわけじゃないのよねえ。なんていうか、ついていくにはとっても困難な道のりになるんだろうし……色々と苦労しそうよね……」
「ふあああー」
俺は欠伸をして、食べ終わったハンバーガーがのっていたトレイを置きに行った。
途中で、女の子とぶつかった。
「いて……絶対わざとだろ……」
「ええ……ぷっ」
俺にぶつかってきた。その女の子が、悪びれた気すらしないような顔で、笑いだした。
「あははははは」
「……? なんだ?」
「いえ、あの……助けてくれてありがとう」
「?」
その女の子には、見覚えがない。
一体……誰だこいつ……?
「あ、熊野さん? あれじゃないかしら? きっと、さっき戦っていたアンブラルから誰かを救ったとかなんでしょ」
「うん?」
女の子は、まだ笑っている。
「もう、早く思いだしてやりなさいよ」
「うーん……」
シルヴァリアンのいうさっきまで、戦っていたアンブラルのいた屋上を思い出す。
……?
あ!
そういえば……。
アンブラルは、最初大通りにいたんだった。そこで……思い出したぞ!




