星幽たち その1
スチルブレードを鞘に納めてポケットにエーテル収納すると、シルヴァリアンと屋上からドアへ向かう。シルヴァリアンもさっき使ったガトリングガンをエーテル収納しようと四苦八苦する。どうやら、エーテル収納の仕方がわからないようだ。
「熊野くん。ガトリングガンをあたしの代わりに、エーテル収納してくれたら、マックでハンバーガーでも奢るわよ」
「あん? 今のうちに覚えておいた方がいいぞ。エーテル収納とかエーテルの使い方……って、いうか。お前は妖精のくせに、なんでエーテルの使い方がわからない?」
「それは、魔法と全然違うからよ!」
エーテルの使い方は、昨日にふらりと寄った古風な赤煉瓦の喫茶店で、カウンター席にいたウルススという大熊のような体格のおっさんにみっちり教えてもらった。
途中で、ウルススのおっさんの友人という人が隣の席に来て、俺と同じ頃に店内に入ってきたメガネを紹介してきた。なんでも、そのメガネはやがてこの世界でも、計り知れないエーテル使いになるだろうと言ってきやがった。
そのメガネは、いつもニコニコとしているような顔をしていて、このソラリス街に、今日引っ越したばかりと言ってやがった。
だが、俺の目には愛想良くお辞儀をしているメガネには、どんな奴でも目には見えないんだが、なんとなくわかるような、とんでもないオーラを纏っているように見えた。
そして、ニッコリ笑ったメガネと俺は握手したが……。
名前……。
なんて、言ったっけ?
名前はなんだったかなんて、そんな小さなこと覚えてないな。
メガネの手は、今まで出会った男の誰よりも、迸るぐらい熱く強かったんだ。




