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古風な赤煉瓦の喫茶店から
ソラリス街の端っこには、いつも常連のお客しか来ない喫茶店がある。なんでも、店主が全く客引きをしないのだそうだ。看板も大通りからは全然見えないので、新しいお客には喫茶店があるかないかもわからない。きっと、ないも同じなのだろう。
ちょうど、ぼくがこの街へ来た日と同じだ。
その喫茶店の看板が、大通りから見える位置にあった日は……。
ぼくも、そんなことは知らなかった。
引っ越しの手伝いもしないで、本屋さんへ行くことにしたので、大通りを歩いていたら、ふらりと喫茶店へ寄ったんだ。
タイミングよく、ぼくと同じく喫茶店に興味を持った男性がいた。洒落たガラス製のドアの前に突っ立って店内を覗いていた。
店内は、意外にもメニューがとても多くて、お客もたくさんいて賑やかだった。
そして、あとからわかったんだけど、この古風な赤煉瓦の喫茶店には、常連や新しく来るお客はみんな星幽たちなんだということを……。




