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まだ君はしらない、あの夏にー

作者: MK

ご覧いただきありがとうございます。

今作も、二回目の「はじめまして」同様、感動系のストーリーを書かせていただきました。

感動していただければ幸いです。

今作は「高校生」と「転校」を題材とした恋愛ストーリーです。

それでは、お楽しみください。

「はじめまして。北野高校からきた白川 夏美(しらかわ なつみ)です。短い期間ですがよろしくお願いします。」

それがこれからの全てに、つながっていた。

主人公、神谷 優馬(かみや ゆうま)は長泉高校に通う学生だった。

春休みが終わり、優馬は三年生になった。

そして学校当日、転校生がこの学校に入った。

それが夏美だった。

優馬は女子に無関心だったため、全く気にかけていなかった。

「では、夏美さんはあちらの席に座ってください。」と先生が言う。

その席は優馬の隣だった。

新しくクラスが代わり、毎年恒例の自己紹介が始まった。

クラスの人は殆ど知っている人だったが唯一知らない夏美が隣だったため、優馬は話しかけにくかった。

「俺は、神谷 優馬。よろしくな。」と優馬は自己紹介を始めた。

すると夏美も自己紹介を始めた。

「さっきいった通り、白川 夏美です。よろしくお願いします。」と優馬とは違い、夏美は礼儀正しく話し始めた。

自己紹介が終わり、周りの人たちはそのまま会話しているが優馬は夏美と初対面で無言のまま時間が過ぎていった。

そしてその後、授業が始まったが優馬は隣の人と話すことができず授業はほとんど一人で行っていた。

夏美も同様、一人で行っていた。

そしてその日の学校は終わり、優馬は帰宅した。

帰宅してから色々考え、仲良くなるために話す決意を決めた。

次の日、学校に登校し最初の授業が始まる前に話しかけた。

「夏美さんは趣味とかなんかある...?」

「特にないですよ。そもそもすぐにまた転校するので知っても意味ないですよ。」と冷たく言い放った。

その言葉に対して優馬は「そんな事ないですよ!短い間でも仲良くしましょう?」と言った。

しかし夏美からの返事はなく、夏美の態度は変わらなかった。

優馬はそれでも諦めず毎日話しかけ続けた。

ほとんど無視されたが気にせずにひたすら、話しかけた。

そうして毎日話すうちに夏美は心を開いたのか話すようになっていた。

気のせいか、夏美の笑顔がふえた気もした。

そのうち優馬は夏美の笑顔を見るのが嬉しくなり、気づけば優馬は夏美のことを気になっていた。

しかし優馬はその本心を伝えることができなかった。

優馬はそのことを友だちに相談した。

友達はあまり夏美のことをよく思っていないみたいで、友達は批判した。

そして優馬は友達に相談することをやめた。

その影響で一人で悩みを抱えるようになり、授業に集中できなくなり先生に注意されることが度々あった。

その異変に気づいたのか夏美はどうしたのか訪ねてきたが優馬は言えるはずもなかった。

そうして夏の気配が近づいてきた頃、優馬はなんとか夏美を映画館に誘った。

「あ、あのさ、今週の週末に映画いかない?」

夏美はOKした。

「いいよ!」

「あ、ありがとう」

そうして週末、映画を見終わり近くのカフェに入る。

「あの、話があるんだけど...」

夏美は先ほどとは違った暗い表情で話し始める。

「う、うん?どうしたの?」

「転校の話なんだけど...」

その話を聞くと優馬は不安な表情になる。

「私、夏休み明けくらいに転校しちゃうんだ...」

その言葉を聞き、優馬はショックを受けた。

しかし優馬は「なら夏休みはたくさん会おうよ」と言った。

夏美は先ほどの暗い表情から一転し、嬉しそうな顔で「うん!」と言った。

それから夏美と優馬はいつも以上に話し、いつも以上に会うようになっていた。

周りからは変な目で見られていたがそれ以上に夏美が好きだったので気にしなかった。

そうして夏休みが始まった。

夏休みは7月28日から始まり8月22日に終わる計25日だ。

それが終わると夏美は転校してしまう。

言い換えれば夏美が転校するまでのカウントダウンだ。

夏休み:1日目

この日は優馬と夏美は図書館に行き、勉強をした。

お互いにわからないところを教え合っていた。

そこには幸せの雰囲気が漂っていて、優馬も夏美もお互いに話すことへの抵抗がなくなっていた。

勉強が終わると図書館を出て、優馬は夏美を家へ送り届け自分の家へ帰った。

自分の家へ帰ると、夏美へスマホでメッセージを送った。

夏休み:2日目

この日は特に何もせずに終わった。

しかしメッセージだけはいつも通り送った。

夏休み:3日目

この日は優馬の部活の試合があった。

部活の試合には夏美が応援に来ていた。

その影響もあってか優馬はいつも以上に活躍できている気がした。

試合が終わると夏美は優馬のプレーを褒めた。

優馬は照れながらも内心嬉しかった。

夏休み:4日目

この日は二人はカフェへ行った。

二人ともスイーツと飲み物を頼み楽しく話すが時間は過ぎていく。

その時に優馬は8月12日にある夏祭りに誘った。

夏美は興味しんしんでOKをした。

夏休み:5日目

この日は夏美の予定が空いていなかったため優馬は勉強をした。

もちろんメッセージは送っていた。

夏休み:6日目

この日は部活の試合だった。

前回同様、夏美が応援に来ていた。

その期待に応えようと必死に頑張ったが、負けてしまい引退することになった。

それで泣いていると夏美が慰めてくれた。

夏休み:7日目

この日は会わなかったが、二人は電話をした。

日常的な会話をした。

夏休み:8〜10日目

図書館に行き、二人で勉強をした。

夏休み:11日目

最近、二人は仲良くなり冗談を言うこともよくあるような仲になっていた。

そして夏美は優馬に好感を寄せているように感じられた。

夏休み:12~14日目

しばらく会わず、電話がほとんどだった。

夏休み:15日目

次の日にある夏祭りのことを話した。

お互い楽しみにしていて夏美は着物を着てくるようだった。

夏休み:16日目

この日は夏祭りだ。

夏美はアサガオが描かれた着物を着ていた。

優馬から見る夏美はとても美しかった。

「どうかな...?」その問いに対して優馬は顔を真っ赤に染め「う、うん!」と答えた。

そうして屋台の間を歩きはじめる。

優馬が緊張して何も話せないでいると、夏美は恥ずかしそうにこう言った「て、繋がない?」

その言葉に驚き優馬は顔をもっと真っ赤に染めた。

しかしその言葉は優馬にとってとても嬉しかった。

「う、うん...」と返事をした。

夏美は嬉しそうに、しかしまだ恥ずかしそうに手をつなぎ始めた。

手を繋いで回ったお祭りはいつも以上に早く時間が過ぎていく感覚だった。

そして空からドンッ!と音がなる。

夏の風物詩、花火だ。

優馬はこのタイミングをずっと待っていた。

告白するために。

優馬は花火を見上げる夏美にそっと声をかけた。

「あのさ...」

そう言うと夏美は振り向き「どうしたの?」と言った。

優馬は一回深呼吸してから「好きです。付き合っ...」と言いかけた途端、夏美は「いいよ!」と微笑んで言った。

優馬はとても嬉しかった。

優馬はその夏美の微笑みを見て幸せな気持ちになっていた。

夏美が喜んでいるのに反し、夏美の目には涙がうっすら見えていた。

そう、夏休みはもうすぐ終わり夏休みが終わる頃にはもう夏美はいないからだ。

しかし優馬は涙を見せなかった。

帰り際、優馬は家まで夏美を送っていると夏美は「今日は楽しかった。ありがとね。それと短いけどこれからもよろしくね!」と言い、優馬の頬にそっとキスをした。

優馬は顔が一気に真っ赤に染まり、「また今度」とだけ言い帰っていった。

夏休み:17日目

優馬は昨日のことをどうしてもわすられなかった。

それを思い出すたびに顔が赤くなった。

そしてこの日は「今日親いないから!」といって夏美の家に誘われていた。

そして二人は家でデートをした。

と言っても夏美の家では、雑談をした程度だ。

夏休み:18日目

この日は電話をした。

付き合ったからなのかいつも以上に話が弾んだ。

付き合ったことの嬉しさを二人で共有したりして、電話を終えた。

夏休み:19日目

優馬は夏休みが一日ずつ終わるのに不安を感じ焦り始めていた。

それは勉強のことでもあり、一番は夏美のことであった。

そうして優馬は夏休みが終わるまでにやりたいことを考えた。

この日は電話をした。

夏休み:20日目

残り5日、片手で数えられるほどになってしまった。

しかし優馬はどうすれば夏美が寂しくならないかを思いつかなかった。

勉強も進めようとしたが全く集中できなかった。

夏休み:21日目

残り4日

この日は二人とも図書館へ行き、勉強をした。

しかし二人とも勉強は進められず、暗い雰囲気で話をしていた。

夏休み:22日目

残り3日

この日も優馬は最終日、何をするか考えた。

ただひたすらに...

夏休み:23日目

残り2日

この日は電話をした。

そして優馬はなんとか勉強を進め余った時間で最終日のことを考えていた。

夏休み:24日目

残り1日

明日でお別れということを考えると、優馬はいつの間にか涙を流していた。

優馬は一人、部屋で静かに泣いていた。

そしてこの日も電話をした。

電話をするときは泣くのをこらえていた。

震えた声の感じから夏美もこらえているようだった。

優馬は最終日のことをなんとか決めた。

夏休み:最終日(25日目)

おそらくこれが最後のデートだ。

そんな気持ちで挑んだデート。

楽しく時間が過ぎていたが別れの時が来るのはあっという間だった。

そして優馬は準備していた言葉を言った。

「大人になったらまた会おう、そしてそのときは...」

その言葉に夏美は泣き出してしまった。

震えた声で「うん、また会おうね」と悲しげに言った。

そして夏美が行こうとした時、優馬は勇気を振り絞り夏美にキスをした。

「っ!?」夏美はびっくりしていた様子だったがすぐにキスを受け入れた。

キスを終え「俺らは離れても恋人だからね。」と言った。

その返事に言葉は発さなかったが代わりに頷いた。

数年後ー

「いらっしゃいませ!」

優馬は地元のコンビニ店員になっていた。

優馬は夏美に会えるとは思っていなかったが夏美のことは絶対に忘れなかった。

「あの頃が懐かしいなぁ」と独り言を呟くことも多々あり、何処かさみしい気持ちがあった。

会えないとわかっていてもどこか期待してしまう優馬がいた。

そしてあの日の約束通り恋人でいた。

大人になり、スマホで連絡を取ることを試みたが返事はなかった。

そうしてすっかり諦めてしまった。

「いらっしゃいませ!」

優馬は虚しい気持ちを心の奥にしまい働き続けた。

「これ...ください」

その商品と声から優馬は何かに気づいた。

持っている商品はあの頃二人でよく食べていたお菓子、そして聞き覚えのある声の正体は夏美だったからだ。

「?!」

優馬はとても驚き、そして涙を流した。

「夏美...?」

「もしかして...優馬?」

と、夏美も泣き出しそうな声で言った。

二人は無事に再開し、優馬は仕事を忘れ感動していた。

シフトの時間が終わり、コンビニの外に出た。

「久しぶり。」

と言い合った。

そしてその後は今まであったことを話し合っていた。

優馬は「今でも...彼女でいてくれるよね?」と聞いた。

「もちろん!」と返事の声が返ってくる。

大人になってから○回目のデートのとき、優馬はポケットから指輪を取り出しこう言った。

「僕と結婚してください!」

「?!...はい、お願いします。」

その後、二人は末永く幸せで生きていったことは言うまでもありません。

ご覧いただきありがとうございました。

今作はMrs.GREEN APPLEさんの「夏の影」が合うんじゃないかと勝手に思っています。

私はこれ以外にもお話を書いていますので、そちらの方も読んでいただければ幸いです。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
底辺のお手本って感じ
一緒にいれる日が少ないのに普段通りに接してくれる優馬の姿に感動しました。すごい面白かった!
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