表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おしゃべりと桜

作者: 物語のあるリボン/いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

ソメイヨシノのヨシノは、どの桜の精よりも、おしゃべりだ

明るい笑い声に、透き通るような声

だけど、ずっと声を聞いていても心地が良い

お喋りが大好きなヨシノは、歌を歌っているかのように話しだしたら止まらない

誰かの話しを聞いて、自分の話をして

誰かの相談を聞いて、自分の意見を言って

誰かの笑い話を聞いて、自分が一番大笑いをする

そんなヨシノは、誰からも愛される桜

いつも笑って、いつも楽しそうにして

いつも朗らかに、いつも誰かを癒やしてくれる



今日は、しだれ桜のシノとお喋りをしている

シノは、とても大人しく物静か

笑う時も手を口元にあて、静かに笑う

シノは、ヨシノが大好きで

ヨシノも、シノは大好きだ

シノが寂しそうにしていると、ヨシノはそばでじっと寄り添って

シノが笑えば、ヨシノはもっと笑う

対象的な2人に見えるが案外性格が似ているところがあるのかもしれない

クスクスと、静かに笑い

ワハハと、大きく笑う

見ている僕は、それだけで癒やされている事に2人は気がついていない



春の訪れと共に、毎年僕はここへ来る

どこでもなく、この公園

誰にも見えないはずの桜の精達が僕には見えていて、きっと誰も信じないから内緒の話

この公園には、数種類の桜が集まっている

だから、こうして色んな桜の精がおしゃべりしているのを見ることが出来るのだ

春は好きだ

こうして和やかに温かに僕の心を癒やしてくれる

きっと桜の精達は、僕の事に気が付いていない

気付いたらきっとこんな風に、優しい顔は見れなくなるだろう

僕も話してみたいな

それはいつかの夢にして、今日ものんびり公園の椅子に座り、本を読み耽る



『今日も面白そうな本、読んでるね』



どこからともなく、心地の良い声が聞こえた気がする

ハッと顔を上げて辺りを見回す

誰もいない

遠くヨシノが、シノと楽しそうに話している

少し期待した自分に、フッと鼻で笑った

もう一度、本を広げ本の世界へと入っていく



遠くヨシノとシノが、本を読む少年を見ながらクスリを笑う

『いつか話してみたいね』

『うん。いつもいる、あの優しそうな少年とね』

ヨシノとシノは言い合って2人見つめる

そして、もう一度ふふっと笑いあった



最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ