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自動人形の俺が異世界で生活する  作者: いけぴ12
第1章 入学編
9/47

第9話 自動人形、目立つ

もう少しで10話です!

蒼と恵が志鎌亮太先生と対戦している頃。後衛の生徒達は自分が得意とする魔法を的に打ったり、支援魔法の場合は先生にかけてその効果を確かめたりしていた。


1人ずつ順番に、魔法を放っていく。そして、上原愛海の番になった。


彼女は基本どの魔法も使える魔法使いだが、得意とする魔法は攻撃魔法だ。


精神を集中させ、魔法をイメージしながら詠唱をする。


「〈炎弾〉!」


大きな火の塊が的に飛んでいく。そしてそれは的を灰になるまでに燃やし尽くした。


「おぉ……1年生でこの威力ですか……これからが楽しみです」


この訓練の時間において、魔法を担当する立花紬先生が、メモを取りながら言う。


「はい次! 秋葉優里」

「はい」


最後に秋葉優里が呼ばれる。彼女は、攻撃魔法が一切使えない代わりに支援魔法を得意とする。


心を落ち着かせ、詠唱する。


「〈筋力上昇〉!」


先生の身体が一瞬輝き、すぐ消える。


そして先生は近くにあった的を殴ると


グシャッ


木端微塵になった。


「ふむ、効果がかなり大きいようですね」


とメモを取りながら言う。


秋葉優里はその言葉を聞きふぅ、と一息。だが直後、遠くから金属がぶつかり合うような大きな音が聞こえ、その方向を見る。そこには、前衛担当の志鎌先生と戦っている恵と蒼の姿があった。


周りを見ると、他の前衛の人たちが床に寝転がっている。かなり前から見ていた人に聞いてみると、あの2人以外は先生に突っ込んで、返り討ちに遭ったらしい。


そうしている間にも、3人の攻防は続いている。恵が引くと蒼が入れ替わりで入り、蒼が引くと恵が代わりに入る。初めての連携であんなに息が合うんだ、と思っていると、蒼たちのかなり後方に一本の剣が浮いていた。


「何、アレ……?」


魔導具なのかと思ったが蒼が握っている剣と瓜二つだったので違うのだろう。


ならレアアイテムなのだろうか? だがそんな貴重な物、高校生が持ってるなんて信じられない。持っているとすれば金に物を言わせ買った金持ちか、自らダンジョンに挑み、手に入れた高尚な冒険者のどっちかだ。


その剣は、何かするわけでもなく、ただ宙に浮いている。


蒼たちの方を見ていると、恵が膝を地面に突き、先生が大振りの一撃を加えようとした。


もしかしたら、あの2人なら先生に勝てるのかもしれない。そんな期待をしていたが、目に映る現状に、少し落胆する。


「〈炎弾〉」


気を落としていると、遠くから蒼の無詠唱で魔法を放つ声が聞こえ、顔を上げる。ただ浮いていただけの剣から、炎の弾が放たれ、先生の頭上を飛んでいった。


は?


これには秋葉優里だけではなく、他の見ていた後衛の生徒も唖然としていた。何故ならば習得が難しい無詠唱で、前衛の人が魔法を放ったのだから。


唖然としているうちに2人は体勢を立て直していた。そしてまた信じられないような言葉が蒼から発せられる。


「〈筋力強化〉、〈速度上昇〉、〈疲労回復〉、〈集中力上昇〉」


無詠唱。しかも4つの魔法を同時に、だ。どれも支援魔法。しかし支援魔法が得意である秋葉優里ですら、その異次元のような事が目の前で起きていることに絶句する。


()()は人間なのだろうか? 人間に化けた化け物ではないのだろうか?


驚きと恐怖のあまり、冷や汗をかく。


4つの魔法を同時に無詠唱で発動するなんてS級冒険者しか知らない。2つ同時に無詠唱で発動できるだけでも凄いのに……


優里は隣で目を見開いたまま固まっている愛海に話しかける。


「ねぇ、無詠唱で同時に幾つ魔法発動出来る?」

「……最近2つ同時出来るようになったくらい」

「……そう。私も同じ」


やっぱり()()は異常だ。高校生が人外とも言える4つの魔法を無詠唱で同時に発動させるのはおかしい。


だけど……


「魔法、教えて貰おうかな……」


幸いにして彼は自分と同じパーティメンバーだ。どうせなら魔法を教わってみたい。そうすれば彼と同じような所業が出来るようになるかもしれない。


あぁ、けどそれだと周りから注目を浴びちゃうな。


秋葉優里はこれからが楽しみになった。彼が他にどんな隠し球を持っているのか。自分達のチームがどれだけ有名になってしまうか。


「神のみぞ知る、か……」

「うん? 何か言った、優里?」

「いや、何でもない」


もし神様が実在するなら、早くその未来を教えてほしい。そう切実に思った。


♦︎ ♦︎ ♦︎


「いやワシも分からんて!」


……あれ、どうしていきなりこんな事言ったんだ?


何処か天の世界で、創造神は頭をかしげた。

朝起きるのがダルいですよねこの季節。自分も布団から出たくない…こたつが恋しい…

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