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心の栄養足りてますか?  作者: ソムニオ
1/1

今日も元気に営業開始

「おーい、ここに魚置いてていいかい?」

荒々しく戸が開くと同時に魚屋の上野さんが元気いっぱいのしゃがれた声で挨拶をくれる。

「いつものところに置いてて下さい!」

僕も負けじと大きな声で対応する。これがお店の始まりの合図みたいなものであって、この「おーい」を聞くことで僕の心の仕事スイッチが完全にオンになるのだから不思議に思う。

「今日は上物の鰤が入ったから入れておいたで! これで美味しいもんでも作れぇ」

上野さんが経営する『魚屋上野』で魚を仕入れ始めてはや五年。気が付いたら色々とサービスをしてくれるような関係になっていた。

「ありがとうございます。 それじゃあ鰤の刺身でもしようかな」

他愛のない世間話と最近できた上野さんのお孫さんの惚気話をなんとはなしに聞き流し(いつものことなので)、決まって最後はこう聞いてくる。

「今日も予約でいっぱいかい?」

「ありがたいことに」

僕はいっぱいのはにかみスマイルで応えるも、上野さんは僕の返事も見ずにそそくさと車に戻ってしまう。これもいつものこと。

相変わらずだなぁ、なんて上野さんが締めた戸を見ながら一人言を呟いて納品を済ませる。


額に薄っすら汗を浮かべ来るべきお客を迎える準備を淡々とこなす。

外はオレンジ色に変わり雑踏が広がりつつあった。

戸を開け開店準備をする。

遥か上空には薄っすらと夕刻の三日月が浮かび、夜の帳が徐々に近づいているのを肌で感じる。

それを見ながらすうっと一呼吸。



さて、今日も一日頑張りますか

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