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5.外の世界へ 後編






私がここから出ると決めてから、私はムエルトス様と祝詞ノ儀で外に出るための計画をたてた。

私は私のお披露目の前に、大本山にある祈りノ塔で、夜風に当たりながら静かに祈りを捧げる儀式がある。その時は、大神官も護衛の兵士もいない。

その時に、ムエルトス様が上空で待機して、月が空の頂点に登った頃に私が、ムエルトス様に助けて、と叫んで詳しい私の場所を教える手筈になっている。

兵士も大神官も来るだろうが、大丈夫だとムエルトス様は、言っていたので、大丈夫なのだろう。

私は、それまでに祝詞ノ儀でムエルトス様にこれまでのことを話したり、ちょっとした疑問を聞いたりしていた。

ムエルトス様は、その話を聞いている時は、とても静かに聞いていたけれど、その気配はとても懐かしいものだった。大河と初めて会って、少し心を通わせた時のように。

私は今、祈りノ塔の屋上にいる。

もう少しすると、月が空の頂点に達する。

私は、もうすぐでここから外の世界へと旅に出る。

ムエルトス様の助けを借りて。

この大本山にはあまり楽しい思い出はないけれど、感謝している。

私とラティを出会わせてくれた。

私とカンナ、ラナを出会わせてくれた。

私は、ラティ、カンナ、ラナが死ぬ前にありがとうと、伝えたかった。

私の瞳から一雫の涙が溢れた。

月はちょうど頂点に達している。

私は、その涙を拭って、私は叫んだ。

「ムエルトス様、助けて!」

私は、ずっとそう叫んでいると兵士と大神官が階段を駆け上がる音が聞こえた。

塔に、黒い鱗を持ち、額にはクリスタルでできたツノが生えている竜が舞い降りた。

「ムエルトス様………?」私は、ぽつりと言う。

塔のドアが開かれて、大神官と兵士が出て来た。

「「聖女様!!」」大神官と兵士は大きい声で私を呼ぶ。

『この娘は、私が貰い受ける。貴様らにはわたさん。安心するがいい。この娘は、貴様らの代わりに私が幸せにしてやる。』ムエルトス様はそう不思議な声色で言うと、私をそっと掴むと空へ舞い上がった。

大神官と兵士はぽかんと口を開けてこちらを見ている。

ぐんぐんと小さくなっていく塔と大本山をじっと見えなくなるまで見つめていた。




ムエルトス様は、しばらく空を飛んでいたが、ひとつの山の洞窟を見つけるとその洞窟の前に舞い降りた。私をそっと地面に降ろす。

『もう夜も遅い。ここで休め。』ムエルトス様はそう言ってくれ、そっと草が敷き詰められた寝床を用意してくれた。私はそっとそこに横になる。

その寝床は、ふかふかで私はすぐに眠りに落ちた。









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