12.群れの情報
「教えていただけますか?」ギルドマスターのリリーラさんは私に聞いた。
「ええ、分かりました。ロディアス、お願い。」私がそう言うと、ロディアスは、言葉を話していいのか?という視線を投げかけて来たので、軽く頷いておく。
許可を得たロディアスは、ぴょんと、机に飛び乗った。
『まずは、俺が話せることを、言っておく。』ロディアスの声を聞いたこの場にいる殆どの人が驚いた。
「ただの竜では、ないと思ってはいましたが、喋ることができるのですか……」リリーラさんは、ため息をつき、そう呟いた。
『先に進めるが、いいか?』驚いているリリーラさんと高ランク冒険者たちにロディアスは声を掛ける。
リリーラさんと高ランク冒険者たちが、頷くのを見て、ロディアスは口を開く。
『赫羅の群れの数はおよそ3000から4000体。下級赫羅の獣型がおよそ半数、上級赫羅の獣型が4分の1、上級赫羅の人型が4分の1だ。指揮官は、いないようだ。明日の昼にはこの街につく見込みだ。』
「そんなに、いるのですか?」リリーラさんは驚いて、聞いた。
『嗚呼。何故か一般的な赤色赫羅や灰色赫羅が居ないな。下級赫羅の獣型だけなら、ここのメンバーだけで倒れるだろう。』ロディアスは言った。
「他の赫羅はどうなんだ?」柄の悪い細身の男が言った。
『……他の赫羅は……悪いが、お前たちでは、一対一で勝てるかどうかってところだ。』ロディアスは気まずそうに言う。
「お前たちではってどう言う意味ですか?」リリーラさんは、鋭い瞳になって聞く。
ロディアスは、スッと瞳を細めた。
『……そのままの意味だ。上級赫羅の獣型だけなら、どうにか出来るかも知れない。だが、上級赫羅の人型は、お前たちには無理だ。アイツらは、獣型や下級赫羅と違って、知恵と力がある。狡猾さも抜きん出ている。想像してみろ。お前たちのいう、Aランク冒険者が群れているのと同義だぞ?』ロディアスが言うと、高ランク冒険者たちは青ざめた。
「そんなやつらにどうやって勝つんだよッ!!俺たちが、何もできなかったら、この街の人間死ぬんだぞッ!!」歴戦の勇士のような風貌の男は叫んだ。
『黙れ。煩い。誰が、誰も勝てないと言った?』ロディアスは口から火の粉を漏らしながら、威嚇した。
「勝つことが出来のですか?」リリーラさんは、心底驚いたように、聞く。
『嗚呼。こいつはこう見えて、上級赫羅の獣型を一太刀で倒ったことがある。下級赫羅をお前たちに任せて、俺たちは上級赫羅を倒す。役割を決めて、掛かれば大丈夫だ。』ロディアスは、そう言った。




