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届かなくても

作者: 伊月

一体何処のどいつだろう

田舎の夜が静かだと言ったのは


そいつが今ここにいれば

目を見開いて驚くだろうか

嘘だ!と喚くだろうか


___否、きっと

今隣にいる彼のように

ただただ静かに嫌な顔をするだろう


2人の間には沈黙が広がっているというのに

2人の間を通りすぎる空気は

周囲のありとあらゆる音を拾って震えている


言葉を発することすら悩まされるこの空間で

お互いに口を開いては閉じることを繰り返す


想いを伝えるには絶好の機会の筈なのに

声帯が震えることを許してくれない


どうでもいい話題なら

迷うことなく音を発するだろうに……

本当に嫌になる


ふと、空を見上げた

きっと彼は気付かないだろうが

思いついてしまった


これなら、伝えられる___


遠回しに、しかし最大限の想いを込めて

今君に伝えよう


「月が綺麗ですね」

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