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キングコブリン

ボス前の小部屋と思われるところの壁には円状に穴が開いていた。


その穴には漢数字で一から十の数字が横についていた。


これ、転移してきた日本人にしか攻略させない気がブイブイ伝わってくる造りだな。そういえば、モニターのリムルも日本語で喋ってたな。まぁ、あれは翻訳リングをしてれば誰でも意味が分かるけど……


オレは数字の順番通りに、穴にコブリンの小角をセットしていった。


全部の小角をセットすると、壁が光り、消えた。


オレたちが中に入ると、背後で壁が復活していた。


他と同じ茶色い岩の道が少し続き、広間らしき所にでた。


ドドン!


突然オレたちは炎に包まれた。


「なんじゃとぉ?!」


どうやら先制攻撃を受けたようだ。だが、前の戦闘で使ったバリアがまだ有効だったため、ダメージを負った者はいない。


「ちぃ、コブリンごときが小賢しい! 皆、念のためにバリアをもう1つ重ねがけするのじゃ。」


「「「「バリア!」」」」「わ・うぃ・わ」


4人と1匹が一斉にバリアをかける。


「一斉砲撃じゃ!」


オレたちは左腕を前に構えた。


「「「「バレット!」」」」


岩砲弾が4発、コブリンたちに飛んでいった。


ドドドドン!


岩砲弾は、前列にいたコブリンが構えた大盾に防がれてしまった。


改めて、コブリンたちを見る。


前列に5匹の盾を持ったコブリン。そしてその後ろに4匹の杖を持ったコブリン。そして一番後ろに他よりも一回り大きい金属鎧を着たコブリンが1匹いた。


「おのれ、コブリンのくせに生意気なのじゃ! デイジー、突っ込んで属性剣で切り伏せるのじゃ! クリスは弓で後ろの杖をもった奴を狙うのじゃ!」


「あいよ!」「はい!」


「ファイヤーソード!」


デイジーちゃんが剣に炎属性を纏わせて、駆け出して行った。


ドドドン!


そこに炎の玉が降り注ぐが、デイジーちゃんは、ジグザグに走って回避した。当たっても、バリアでダメージはないと思うけど、避けれるなら、避けたほうがいいよな。


ドシュシュ!


クリスさんの矢が、杖コブリン2匹の眉間に命中した。矢の軌道は放物線を描いて前列の盾コブリンを飛び越えたのだ。しかし、同時に2本? それを2つとも眉間に当てるって、クリスさんの弓矢の腕、どんだけすごいんだよ。


「はああ!」


ザシュ!


「グギャアア!」


デイジーちゃんが、盾コブリンに到達し、1匹を盾ごと綺麗に切り裂いた。


「隊列が乱れた。マサル、援護射撃じゃ!」


「「バレット!」」


ドドン!


オレとリンダの岩砲弾は盾に防がれるが、コブリンたちは体制を大きく崩す。


ドシュシュ!


クリスさんの矢が残りの杖コブリンたちの眉間を貫いた。


ザシュシュ!


デイジーちゃんがまた2匹の盾コブリンを、ぶった切った。


「ゴガアアア!」


残りの盾コブリンをデイジーちゃんが切り伏せようとした所で、その間から鎧コブリンが飛び出してきてデイジーちゃんに切りかかった。


パリン!


「あう!」


バリアの1つが割れる音がして、デイジーちゃんが吹っ飛ばされた。


デイジーちゃんは俺たちとの中間点あたりまで飛んできて、クルリと回転して見事に着地した。どうやらダメージはないようだ。


「グルアアア!」


鎧コブリンが盾コブリンと共に、こちらに突っ込んでくる。


「デイジー、避けるのじゃ!」


オレとリンダは左手を掲げて叫んだ。


「「ブリザード!」」


デイジーちゃんが横に避けると同時にそこに極寒の冷気を含んだ竜巻が吹き荒れた。


ピキキ!


コブリンたちは、凍りついた。


ふぅ、なんとかなった……か?


パリン!


盾コブリンは凍りついたままだが、鎧コブリンはその枷を破壊した。うそぉん!?


ザシュ!


しかし、その隙をついて、回りこんでいたデイジーちゃんが後ろから、鎧コブリンを頭から真っ二つにした。


ドシュシュ!


デイジーちゃんは、ついでとばかりに凍りついた残りの盾コブリンもなで斬りにした。


ドドン!


盾ゴブリンの上半身が下半身と分かれて、下に落ちた。


「ふ、またつまらぬものを斬っちまったぜ……」


チン!


デイジーちゃんが剣を鞘に納めると同時にドヤ顔で、きめ台詞を言った。


どこの五右衛門だよ! しかし、デイジーちゃん大活躍だったな。この子もやっぱカッコイイわ。


コブリンの死体は光の粒子となって、消えていった。あとには魔法の指輪が盾コブリンと杖コブリンには3つずつ、鎧コブリンには5つ落ちていた。


広間は円形のドーム状になっていて、奥にはトビラがあった。最初からあったのか、戦闘終了後に現れたかは定かではない。先制攻撃を受けて、周りを良く見る余裕なかったからね。


ガー!


魔法の指輪をリンダが回収して、トビラに近づくと勝手に開いた。


通路は緩やかにカーブしており、やがて10畳ほどの部屋に出た。


上部には、80インチのモニターがあり、その下には点滅するLEDとUSB端子があった。スマホと繋いだUSBコードを接続すると画面にリムルが映し出された。





『キングコブリン撃破おめでとう!


シールドコブリンとマジックコブリンの組織だった攻撃は、なかなかだったじゃろう?


もし、先制攻撃を受けていたのなら、注意力不足じゃ。広間に入る前にマップを確認すれば、敵がすでに広間にいることは分かったであろうからな。


この階層で手に入る無属性の魔石が嵌った汎用魔法リングにバリアの力が隠されていることに気付いていれば無傷で切り抜けられたかもしれんが、それなりに苦戦したことじゃろう。


では、ごほうびじゃ!』


床に2つの小太刀が現れた。デイジーちゃんの剣と同じように刀の底にUSB端子がついていて、鍔の部分に片側4つ、両面で8つの魔石が、それぞれの小太刀についている。そして、底部に特徴的な凹凸がそれぞれにある。また、刀だけあって、反りがある。


『汎用魔法双刀弓じゃ。


刀としての使い方は汎用魔法剣と同じじゃ。ちょっと威力は落ちるがの。


そして、これはお互いの底を連結することで魔法の弓としても使えるのじゃ。


使い方は、例えば[ファイヤーアロー]と叫べば、魔力で造られた弦が現れるから、これを手で引くと炎の矢が出現し、手を放すと射出されるのじゃ。


この他に[アイスアロー]と[ライトアロー][ダークアロー]は最初からセットされておる。


カスタマイズ次第で色んな矢を放つことができるから試してみて欲しいのじゃ。


最後に次の階層の説明をするぞ。


次の階層の相手はコボルトじゃ。


コボルトはとにかく、素早い。捕らえるのに苦労するじゃろう。己の素早さと先を読む力を磨くのじゃ。


ボス部屋に行くには、こやつらがドロップする牙を10こ壁にセットすれば良い。


では、また下の部屋で会えることを祈っておるぞ。』





ガー!


画面が消えると同時に右隣の壁がスライドして開いた。


オレたちは、汎用魔法双刀弓を拾い、そのトビラの外に出た。そこは第二階層右奥の小部屋だった。


「これは、どう考えても、クリスのための装備じゃな。」


「そうだな。」「だな。」


「ほれ、クリス、頑張って使いこなせよ?」


リンダは、汎用魔法双刀弓をクリスさんに渡した。


「お嬢様、皆……ありがとう。必ず使いこなして見せるわね。」


クリスさんは、それを受け取って抱きしめた。この子は、こういった仕草がいちいち、カッコ可愛いなぁ。


「さぁ、今日のところは、ここで切り上げて外に出るのじゃ!」

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