迷宮へ
ダイダロスの街は北に商業区、東に工業区、西に居住区、そして南に迷宮区がある。
キャメロン商会の本社ビルは商業区にあるが、オレたちは今、迷宮区にいた。
遺跡で見たリムルの映像の助言に従い、ダンジョンに行くのだ。
ダイダロスは元々、迷宮を中心にして発展してきたらしい。
リムルが戦闘シュミレーション実験施設として造ったと言っていたが、そのことは伝わってないようだ。リムルはいったい何年前の人間なのか見当もつかない。
街の中央の噴水広場から、迷宮に至るまでの道には、様々な露店が出ていた。
「ワン! リンダ、肉、肉食べたい!」
ウィンが露店で肉を串に刺して魔道具で焼いているのを見つけて、リンダにおねだりした。
「しょうがないのぅ。」
「おやじ、これは何の肉だ? 」
「いらっしゃい。これは、迷宮でとれたオーク肉だよ。」
「そうか、では、6本くれ。」
「まいどありぃ。1本300Gだから、6本で1800Gだよ。」
屋台のおやじは、支払い水晶をリンダの前に差し出す。そこにリンダは自分の身分証をかざし、シャリーンと小気味良い音がして支払いが完了する。
「あいよ、熱いから気をつけてな。」
リンダは、おやじから、袋をうけとり、中から1本を取り出して、ウィンに差し出した。
「ほれ、ウィン、このままで食べられるか?」
「ワン! ありがとう、リンダ! 大丈夫!」
ウィンはそれを器用に両手で受け取り、飛びながら、食べだした。
「ほれ、ついでじゃ、おまえたちも食べろ。」
リンダはオレたちにも、1本ずつ、焼肉の串を渡してくれた。
「ありがとう、リンダ。」「ありがと、お嬢。」「ありがとうございます。お嬢様。」
リンダも自分の分を取り出して、食べ始める。そして、そのまま食べながら、迷宮への道を歩く。焼肉は豚肉そっくりの味がして美味かった。
途中、ウィンが早々に食べ終わり、皆の焼肉を欲しそうに見だしたところで、リンダが最後に残った1本を渡していた。
迷宮はゼータからダイダロスにくる間にあった遺跡と同じような御影石っぽいものでできたピラミッドだった。大きさも遺跡とかわらない3階建てのビルくらいだ。だだ、入口らしきものが正面に大きく口を開けており、その脇に番兵らしい金属鎧を着た男がいた。入口前には10人ほどの入場待ちの列ができていた。
オレたち、4人と1匹は、列にならび、しばらくしてから、身分証を番兵に提示して中に入った。
中に入ると大きな広間となっており、中央に下に下りる階段があり、そこに続々と人が入っていっている。
「ちょっと待って!」
オレは他の皆と同じように、階段を下りようとするリンダたちを呼び止めて、広場の隅によった。
スマホを取り出し、Wifiを確認する。すると、[daidalos01]の接続ポイントが見つかったので、接続を試みる。アクセスキーを聞いてきたので[12346789]と入力したら、無事繋がった。
ブラウザを開くと、
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ようこそ、ダイダロスダンジョンへ!
まずは、ブリーフィングルームに入れ!
ブリーフィングルームは正面、右奥にある。
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と画面がでた。
右奥?
オレは階段の裏に回り、右奥を見ると、巧妙に分かりにくくされていたが、通路があった。そこを進むと4畳半くらいの小さな小部屋があった。
「こんなところに小部屋があったんじゃな。知らなかったのじゃ。」
「そうだね。良く見ないと分からないように、巧妙に隠されていたね。」
オレは部屋の壁を観察して、一辺10センチほどの四角い小窓を見つけた。遺跡の入口にあったのと同じ感じだ。それをスライドして開けると、USB端子が現れた。そこにスマホと繋いだUSBコードを接続する。
ガー!
なにもないと思っていた壁に突然トビラが現れ、横にスライドして開いた。
オレは驚くリンダたちを連れて中に入った。
中は10畳ほどの部屋で、正面上部の壁に80インチのモニターが埋め込まれていた。それ以外はなにもない部屋だ。
モニターの下に点滅するLEDがあり、その下にUSB端子があったので、またスマホと繋いだUSBコードを接続する。すると、モニターが光り、そこに亜麻色の髪をロングにした20歳くらいの女性が映し出された。遺跡で見たリムル・キャメルだ。
『ようこそ、戦闘シュミレーション実験施設、ダイダロスダンジョンへ!
我はここの開発者、リムル・キャメルじゃ。
ここでは、戦闘訓練を効率的に、また、楽しくに行うため、課題を出す。クリアすると、御褒美もあるから、がんばってくれ。
第一の階層の相手はスライムじゃ。スライムは、水、火、風、土、光、闇、無、の各属性がいて、それぞれの属性の魔石を倒すとドロップする。
全ての魔石を2つずつ集めて、第一階層右奥の隠し部屋の壁に順番に2周するように嵌めこむのじゃ。
さすれば、ボス部屋への道が開かれるので、全力でボスを撃破するのじゃ。
ここで、少しだけ、ボス攻略のヒントをやろう。よいか、攻撃が通じなければ、通じるようにしてから、攻撃するんじゃ。
あと、訓練とは言え、危険はあるからの、ムリじゃと思ったら、非難するんじゃぞ。この転移石をつかうのじゃ。使い方は、持って出たいと念じるだけじゃ、それで10メートル四方の人をすべて、ここに転移させてくれる。
では、成功を祈る。』
モニターが消えると同時にその下に、拳大の赤い石が表れた。
どうやら、これが転移石らしい。




