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転移ドアプレート

「転移ドアプレート? なんじゃ、それは?」


リンダが不思議そうな顔をして、コテンと首を傾げる。


オレは商業ギルド宿泊施設のリビングでリンダと向かい合って座っている。


「これだ。」


オレは直径30センチほどの円形のゴムプレートのようなものを手に掲げた。


プレートの幅は1センチほどで、側面にはマイクロUSB端子がついている。片面には白い線で六芒星が描かれており、中心にLEDのランプのようなものがある。


「さっき買ってきた魔道具の中にいっぱいあったんだ。たとえばこれをここに貼り。」


オレはトイレのドアにプレートをペタリと貼った。どういったしくみか、それは落ちることなく貼りついた。


「そして、もう1つをここに貼る。」


オレとリンダの寝室のドアにペタリともう1つを貼った。


すると2つのプレートは薄く光った。中央のLEDが最初は黄色に点灯していたのが2つがドアに貼られることで青色に変わった。


オレはトイレのドアを開けて中に入る。


ガチャ!


それとほぼ同時にオレはリンダとオレの寝室から出てきた。


「こんな風に離れた場所のドアをこのプレートを貼ることで繋げることができるんだ。」


「………………」


リンダは呆然としている。そしてくわっと目を見開いた。


「なんじゃとぉおおお!」


リンダは寝室のドアを開けて、トイレのドアから出てきた。今度はトイレのドアに入り、寝室のドアから出てきた。それを何回も高速で繰り返す。


「なんじゃこりゃあああああ!」


オレの前まで来て手を両側から握る。


「すごいではないか。マサル、これはどんなに離れていてもドアを繋げることができるのか?」


「readmeには10万キロまで転移できるって書いてたよ。この世界がオレが住んでいた地球の5倍以内の規模なら世界中どこにでも行けるはずだね。」


確か地球は1周4万キロ、一番遠い裏側には2万キロで行ける。10万キロはその5倍だ。


「おぉ、では、行商先に設置していけば、一瞬で移動できるようになるのじゃな?」


「そうだね。」


「すばらしい。結婚してくれ、マサル!」


「いや、オレはクリスさんが好きだから。」


「くっ、この体があと10年育てば、我だって……」


「それでリンダ、ちょっと問題って言うか、判断に迷うことがあるんだけど?」


「ん? なんじゃ? お子様の体には興味ないのじゃろ?」


「いや、いまそれ関係ないから。それで、このプレートなんだけど。」


オレは別の転移ドアプレートを掲げた。真ん中のLEDは黄色く輝いている。


「それがどうしたのじゃ?」


「設定前の物はここのLEDが消えてるんだよね。そして中のconfigファイルを設定して2つのプレートをペアリングすると、こんなふうに黄色に灯りが灯るんだ。」


「ふむふむ。」


「これをさっきみたいに、それぞれのドアに貼ると、その2つのドアが繋がる。そしてLEDが青になるんだ。」


「そうか。」


「で、このプレート。オレなんにもしてないのに、最初から黄色の灯りがついてるんだ。」


「……と言うことは?」


「これとすでにペアリングされたプレートが何処かにあるってことなんだ。」


「……そこのドアに貼ってみるのじゃ。」


「よし、貼るぞ?」


「おぅ、どんとこいなのじゃ。」


オレはそのプレートをデイジーちゃんとクリスさんの寝室のドアに貼った。するとプレートは薄く光り、中央のLEDが青色になった。


「……繋がったね。」


「うむ、マサル、開けてみるのじゃ。」


「わかった。」


ゴクリ


思わず生唾を飲み込んで、オレはドアノブに手をかける。


ガチャリ


勢い良くドアを開けた先には下着姿の小さい女性がいた。そして目があった。


「きゃああああああああああ!」


「うわ、ごめんなさい!」


オレは謝って、ドアを閉めた。


「ん? マサル、ドアの向こうに一体なにがあったのじゃ? 良く見えなかったが……」


「あ、いや、そのぉ……」


ガチャリ


いま閉めたドアが開いて、小さい女性が木刀のようなものを持って飛び出してきた。


「おのれ、痴漢め、成敗してくれる!」


「うわわ、ごめんなさい。わざとじゃないんです!」


オレは思わず土下座した。


「ん? なんじゃ、リリスではないか?」


「お? リンダちゃん? ここは……どこだい?」


飛び出して来たのは魔道具屋のリリスさんだった。





「そうか、あのプレートにはそんな機能がついていたのかい、なるほどねぇ。」


オレたちはリリスさんを加えてリビングで紅茶を飲んでいる。


「1枚だけ飾りとして、自分の部屋のドアに貼ってたんだけど、それでここのドアと繋がっちゃったわけだね。」


「そうみたいです。着替え中、すみませんでした。」


「いや、まぁ、いいよ。下着姿くらい。しかし、あんた凄いねぇ。あの訳のわからない魔道具をここまで使いこなすなんて……リンダちゃん、良い人材つかまえたねぇ。」


「ふふん、そうじゃろ、そうじゃろ。」


「こうして、ドアが繋がったのもなにかの縁だ。あのプレートは掃除用具入れのドアに貼り付けて、いつでも、うちの店にこれるようにしとくから、ときどきで良いから、この子、貸してくれないかい?」


「それは、まぁ、マサルさえよければ、我はかまわんが……どうじゃ、マサル?」


「あの店が仕入れるいろんな魔道具が見れるってことですね。ええ、喜んでお手伝いしますよ。」


こうして、魔道具屋リリスとの繋がりができた。

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