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亜空間袋

「マサル、これを見てくれないか?」


リビングでクリスさんの膝枕でまったりしてると、お邪魔ムシのリンダが話しかけてきた。


「ん?オレいま忙しいんだけど……」


「バカップルがイチャイチャしてるだけではないか、仕事の話じゃ、仕事!」


「あたし、仕事してるマサルさん、素敵だと思うんだけどなぁ……」


クリスさんの呟きにオレは跳ね起きた。


「どれどれ、見せてごらん。リンダ。」


「…………これじゃ。」


ジトっとした目で見ながら、リンダは黒皮の巾着袋みたいな物を渡してきた。


袋の真ん中あたりに普通のUSB端子とLEDランプのような物がついていた。


「これは?」


「魔法袋と呼んでいるものじゃ。見た目、一抱えくらいしかないが、実はこれ1つに樽5つ分くらい物が入るのじゃ。」


「へー、すごいなぁ。」


「我ら行商人は各地でその特産物などを安く買って、他の都市に運んで高く売って、その利ざやで儲けを出しておる。しかし、各地の街の関では、物品を持ち込むだけで高い税を課すところも多いのじゃ。」


「ほうほう。」


「ただ、殆どの街の関は魔法袋1つ分だけは、非課税で持ち込ませてくれるのじゃ。だから……」


「できるだけ大容量の魔法袋を行商人は持ちたがる訳か……」


「そう言うことなのじゃ、できれば、マサルにその魔法袋の容量を増やして欲しいのじゃ。」


「分かった。とにかく見てみよう。」


オレはノートPCの電源を入れ、魔法袋とUSBケーブルで接続した。


自動再生のウィンドウが開いたので、[フォルダーを開いてファイルを表示]をクリックした。


新たなウィンドウが開き、その中には、[readme][config][log]の3つのファイルだけがあった。


[readme]をダブルクリックしてみるとメモ帳のウィンドウが開いた。

===============

亜空間袋


袋の内部に亜空間を造り、物を収納できる。

[config]で環境設定を変えた場合、一度全ての物を出さないと、新たな設定は有効にならない。


シャングリラダンジョン

アクセスキー:n8240es

===============

お?これはダイダロスダンジョンのじゃないんだ。シャングリラダンジョンねぇ。


メモ帳の空ウィンドウを開き、[config]ファイルをそこにドラッグしていれた。

===============

環境設定ファイル

亜空間袋の容量をxで[1-1000]の範囲で設定します。

亜空間袋の状態をyで時間経過あり[1]と時間経過なし[0]に設定します。


x=10

y=1

===============

時間経過?


もしかしてyを0にすれば中に入れた物の時間を止めることができるのか?

===============

環境設定ファイル

亜空間袋の容量をxで[1-1000]の範囲で設定します。

亜空間袋の状態をyで時間経過あり[1]と時間経過なし[0]に設定します。


x=1000

y=0

===============

と書き換えて上書き保存した。


USBケーブルを袋から抜いた。


「リンダ、この袋の中に今何も入っていないか?」


「ああ、その真ん中にランプがあるじゃろ? 中になにかあればそのランプがついておるのじゃ。今は消えておるじゃろ?」


「よし、じゃあ、はい、これ。多分容量を100倍にできたと思うから。あと、時間経過もなしにしたから、中に入れたものは傷まなくなったはずだ。」


「なんじゃとぅ?! もともとこの袋は容量が大きい方じゃったから多くとも倍くらいしか期待していなかったのに100倍じゃとぉ? それに時間経過なし? もしかして新鮮な魚介類を傷ませることなく運べると言うことか?」


「そうだ。オレも正直驚いている。なぁ、リンダ、もしかして、見た目の倍くらいしか入らない魔法袋が安く売られてたりするんじゃないのか?」


「ああ、見た目の倍くらいしか入らない魔法袋は1万Gくらいで売られてたりするのじゃ。因みに我のこの袋は100万Gしたぞ。はっ…………そうか、それらを買い集めて……」


リンダはオレを見てニヤリと笑う。


「ああ、オレが容量を大きく増やして転売すれば…………」


オレもニヤリと笑う。


「「大儲けだ(じゃ)!」」





念の為リンダに渡した魔法袋で実験したところ、確かに袋には500樽が入り、その中に入れたお湯はいつまでたっても取り出した直後は熱々だった。


そして、リンダがゼータ中の魔道具屋を回って合計10個の魔法袋を1つ1万Gで買い集めて来た。それぞれの[config]ファイルを見るとやはり容量設定は最低の1、時間経過はありの1になっていた。


試しに1つを最大の容量設定の1000、時間経過なしにしてオークションに出品したところ、驚きの150億Gで落札された。500樽分の容量もさることながら中の時間経過がないと言うことが稀少価値を劇的に高めたようだ。なんでも落札したのはこの国の王家だったとか。


あまりの結果にオレたちは愕然とし、市場に与える影響が大きすぎると判断して、時間経過なしの品は今後出品しないことにした。


残りの魔法袋は最大容量で時間経過ありでオークションに出品し、合計50億Gで落札された。


最終的に今回の儲けは約200億G、オレはその3割である60億Gをリンダから受け取った。

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