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新会社設立

「よし、終わった。そっちはどうだリンダ?」


「こっちも終わったのじゃ。」


「ピート、ライガ、リンネのほうはどうだ?」


「こっちも終了です。」「終わりです。」「あ、ちょっとまってください。……はい、OKです。終わりました。」


「よし、じゃあ、これで、ゼータの街中の魔石、50万個全て再生完了だな。皆、おつかれさん。」


「「「「おつかれさまでしたぁ!!」」」」


商業ギルドのオフィスフロアの1室で、おれたちは大仕事1つをやり遂げた。





港町ゼータについてから、オレたちキャメロン商会はあらゆる商店、飲食店、住宅街を回ってクズ魔石をかき集めた。


クズ魔石を集めている途中でそれに引き寄せられて来た魔人にもたびたび遭遇したが、ホーリーライトを使って全て普通の人間に戻すことに成功した。


その数は総勢6名、最年長は26歳のピート、一番若いのは16歳のリンネといった具合の若者達だった。


そのまま解放しても彼らに生活基盤はなく、また魔石を食べて魔人化する可能性が高かったので、オレとリンダが身元引受人となって、彼らを引き取った。


彼らを、商業ギルドの別室に住まわせ、キャメロン商会の仮社員として雇い、一緒にかき集めたクズ魔石の再生をしてもらった。


作業スペースはキャメロン商会が宿泊用に借りている部屋では手狭になったので、商業ギルドのオフィスフロアの1室を借り、魔石の再生作業をした。魔力検知器も商業ギルド以外からも買い集めることができ、それをカスタム魔力補充器にして再生作業のラインを増やせた。


最終的に、オレがゼータの街についてから10日でこの作業を終えていた。





「商業ギルドから、魔石の買取り金を受け取ってきたぞ。」


リンダが鼻息荒く、キャメロン商会が借りている部屋のリビングに入ってきた。


「そうか、いくらになった?」


「聞いて驚け! なんと30億Gじゃ!」


「平均1つ6000Gか、思ったほど下がらなかったな。」


「ああ、思った以上にゼータでの魔石の需要は旺盛じゃ、再生魔石の供給をしぼれば、すぐにまた値段は10000G近くにもどりそうじゃ、この商売はまだまだいけるぞ!」


「そうか、じゃあ、前に話し合った通りに話を進めるか?」


「ああ、そうするのじゃ。」





キャメロン商会が商業ギルドに借りているオフィスフロアの部屋には、6人の若者がオレとリンダの向いのイスに並んで座っていた。その顔には大きな仕事をやり遂げた達成感があったが、これから自分たちはどうなるのかと言った不安の色もあった。


重苦しい雰囲気の中、リンダが口を開いた。


「ご苦労じゃった。皆の働きのおかげで、キャメロン商会は今回の魔石再生事業において、約30億Gもの売り上げを達成できた。」


「「「「「「おおおおお!」」」」」」


歓声が上がった。皆、自分たちが働いた成果を聞いて喜んでいる。


「では、皆に今回の給料を支給する。」


リンダはキャメロン商会のカードがスリットに入った水晶を若者たちの目の前にもって行き、若者たちはそれに自分の身分証をかざす。すると、シャリーン! と軽快な音がして、身分証にお金が入っていった。


今回、若者1人に支給された給料はそれぞれ100万G。1週間程度の働きで受け取れる給料としては破格だ。受け取った皆は目を大きく見開いて自分の身分証に入れられた金額の数字を見ていた。


「さて、皆、ゼータの街は、まだまだ魔石に飢えておる。この仕事はこれからも街の皆に求められるものとなるじゃろう。どうじゃ? お前たちで、この仕事を続けていかぬか?」


「リンダさま、それはどう言うことですか?」


若者たちのリーダー格である、ピートが質問した。黒髪に黒い瞳をした凛々しい青年だ。


ピートはオレたちがゼータに来た初日に、商業ギルドの裏でリンダに襲い掛かった魔人だった若者だ。自分を取り戻した今の彼にはもはや魔人だった頃の面影は微塵もない。


「これからは、お前たちだけで、空の魔石を集め、それを再生し、商業ギルド等に納品してはどうかと言うことじゃ。その意志があるなら、キャメロン商会は魔力補充器を必要な数だけ整備してレンタルし、1億Gを当面の運転資金として出資してやる。どうじゃ?」


「………………」


部屋を静寂が支配した。


「……やります。いや、やらせてください。」


ピートが最初に言葉を発した。その目は新たな決意とやる気が漲っていた。


「オレも、やります。」「僕もやります。」「あたしもやります。」「オレもやる。」「私もやるよ。」


最終的に6人全員がこの事業をやる意志を示した。


「よし、決まりじゃな。ピート、お前が社長となって、新会社を立ち上げるんじゃ。」


「はい。」


「頼んだぞ、これからのゼータの魔力エネルギーはおまえたちが担っていくんじゃ。そしてホーリーライトが使えるリングも必要な数だけ用意してやる。おまえたちのように魔人となっていたやつが他にもいれば、全て救ってやれ。」


「ゼータだけじゃなく、アバタール王国中、いや、世界中の魔力エネルギーを担ってみせますよ。そして世界中の魔人化した人を元に戻してやります。」


「ああ、その意気じゃ。がんばれよ!」


こうして、魔石を回収して再生するキャメロン商会の子会社、キャメロン再生社が設立された。

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