ゲームを始める前に
今回は説明が多い回です。
俺は大きなため息を吐きジト目で彼女を見る。
しかし、彼女は微動だせずに一息吐いていた。
「とりあえず、そろそろ話の続きをしよう。」
『わかりました。
まずはスキルやステータスの説明をさせて下さい。』
「別にいいぞ。」
まぁ、その話をまずはしようと思っていたし丁度良かった。
『その前にデータを作ります。』
彼女はパチンッと指を鳴らすと特有のレベルアップ音が響く。
その瞬間、俺の目の前に画面が表示される。
ーーーーーーーーーー
ステータス割り振り
残りstp5
HP0
MP0
STR0
VIT0
INT0
MND0
AGI0
DEX0
LUK0
ーーーーーーーーーー
画面にはこのように表示されており、ステータスについての画面と分かる。
しかし、これの意味しているのは最初の頃騙された。
「知っているけど、復習も兼ねて説明を頼む。」
俺は少し頭を下げながら言うと彼女は頷き解説に入る。
『今、表示されているはステータスの成長度合いを表す画面となっています。
一ポイント振ると何と!
10パーセントもレベルアップ時にステータスが上昇します。
最初の頃は1パーセントで考案していたのですが、それだとあまり個人差が出ないことより却下されました。
続いて、ステータスに移るのでstpを振って下さい。』
俺は頷き、俺はサッサと終わらせる。
実際もっと時間かけてもいいのだが、もう構想が決まっている以上早くやってしまった方がいいと思ったのだ。
その結果がこれである。
ーーーーーーーーーー
ステータス割り振り
残りstp0
HP1
MP1
STR1
VIT0
INT1
MND0
AGI1
DEX0
LUK0
ーーーーーーーーーー
といった感じになった。
俺はこの画面を閉じると自動的に次の画面が開かれる。
ーーーーーーーーーー
コシキ LV1 (150)
職業:
ステータス
HP:100/100(1)
MP:100/100(1)
STR:10(1)
VIT:10(0)
INT:10(1)
MND:10(0)
AGI:10(1)
DEX:10(0)
LUK:10(0)
スキル
『魔法補正LV1』
『必要経験値10倍EX LV1』
『分配EX LV1』
『限界突破LV1』
ーーーーーーーーーー
俺の今まで付けていた設定がそこにはあった。
一つを除いては…。
「なぁ、何で名前が入力されているんだ?」
そう、先程名前を入力した覚えは無い。
俺は問い詰める様に彼女を見る。
『それはベータの時の名前です。
変更しますか?』
「いや、しないけど。
気になっただけだ。」
『なら、説明に入りますよ。』
彼女はゆっくり深呼吸して話し出す。
『まずはレベルからですね。
レベルはある一定量の経験値を入手することによりレベルアップします。
レベルの横にある数字がレベルアップまで必要な残り経験値です。
そして、1〜5までのレベルが上がる際はステータスがHPとMPは10ずつ、あと残りのステータスは5ずつ上がります。
続けて職業です。
基本的にはある場所に行って変えて貰います。
職業は職業のレベルがあります。
そのレベルが上がると通常、要するに先程のレベルが上がった時の上昇ステータス補正と普通のステータス補正が職業に合った項目に掛かります。
職業に階級があり、初級、中級、上級、最上級、天災級、伝説級、神級、特殊級の8個あります。
取得方法は様々です。
因みに今は出来ませんがある一定の条件を満たすことにより職業を複数同時に保有することができます。
最後にスキルについてです。
スキルは基本的には先程の様なスクロールで手に入ることが多いです。
他にも、ある一定の行動を行うことにより大抵の場合は手に入ります。
基本的にはレベルと合わせてスキルの最大数が変わるので入手しすぎても意味が余り無かったりします。
スキルのレベルですが、これは特殊で戦闘の際で手に入る経験値はそのスキルを使ったかによって経験値が手に入ります。
使用するだけで経験値が入りますが、それに合った職業を持っている場合は職業の方にも経験値が入ります。
通常の方は入りません。
一気に説明をしましたが質問はありますか?』
「いや、特には」
二回目ということもありスムーズに理解できた。
『それでは、あなたの情報から擦り合わせての説明に入ります』
「分かった」
『まずは『魔法補正』の説明です。
その名で示す通り、魔法使用時などに補正が掛かります。
他にも魔法と関係あるスキルやステータスのパラメータの入手や補正が掛かります。
このスキルはEX系を除くと一番、魔法系補正が高いスキルとなっています。』
彼女は一区切り付き、質問はあるか促す。
「何のパラメータが補正対象なのか?」
『MP、INT、MNDが補正対象となります。
他に質問は?』
俺は何も無いと言外に目を使って言うと彼女は話し出す。
『次は『必要経験値10倍EX』です。
これもその名の通り、必要となる経験値が10倍にされます。
例えば、LV1からLV2に上がる際の必要経験値は15ですが、あなたの場合は150と表示されている点です。
更に、LV1以降のレベルアップ時に上昇ステータスや効果や能力やステータスポイント、補正などが全て10倍化されます。』
彼女は一息吐いて俺を見る。
どうやら、質問が無いかという意味で見たらしいがすぐに無いと察して話し出す。
『続いては『分配EX』についてです。
このスキルは戦闘補助は一切無く取得経験値の設定となります。
通常レベル、職業レベル、スキルレベルの三つ、それぞれの分配の割合を変えるスキルとなります。
例えば、
通常50
職業20
スキル30
の場合は100経験値が手に入った際に、通常に50経験値が入り、職業に20経験値、スキルに30経験値が入ります。
そして、このスキルの最大の特徴は少数第2の位までの割合を決められます。
因みにこの表示は100%中の20%みたいな表示なので、数字は全てパーセントで捉えてください。』
俺は頷き次の話を促す。
『次に『限界突破』についてです。
これはステータスの最大値を一定時間倍加するスキルです。
それにはHPやMPが含まれておりますが、使った際に増えた分、回復はしません。
その後、しばらく『限界突破』は使えません。
更に反動でダメージを受けたりします。』
彼女は話を終え一息つく。
俺は『限界突破』について誤解していた。
とんでもなく使える能力じゃないか!
何このチートスキルという風に評価が変わっていた。
デメリットがデメリットになっていない。
てことは、かなりのレアスキルじゃないか?
いやいや、決めつけるのは早計だ。
「ありがとう、それであとどのくらいで本サービスが始まる?」
『無駄話も多かったのであと10分後ですよ。』
意外と時間が過ぎるのは早いものだな。
「んじゃ、ここで待つとしますか。」
『はい、時間になったら送りますので安心して寛いで下さい。』
「オッケー、あと名前ってあるのか?」
『はい?』
この時、初めて彼女は不思議そうな表情をした。
「だから、名前。
ファット ユーアー ネーム?」
『そういうことですか?
私のことはファーストとお呼びください。』
ファーストは確か一番とかそういう意味だった筈だよな。
まぁ、憶測はできるが聞いても仕方ないことだな。
「んじゃ、よろしくなファースト。」
そう言うと共に時間になったのか光に包まれだした。
そして、俺は再びこのゲームの最初の街バートクラに降りたつのだった。
スキル説明の時にスキルのレベルが無いのは仕様です。
さてと次がとうとう本編スタートだ。
読んで頂きありがとうございました。
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