1人目の男の子
?「こんにちは!立花 優樹さん」
「突然ですが、女子高校生になりませんか?」
中学3年の1月下旬、友達と遊んだ帰り、知らない女の人にそう言われた。
?「フフッ、驚いてますね?まぁ、無理もありませんよね!なんて言ったって優樹さん、あなたは男の子ですもんね!」
その人はわらった。
そう、俺は男だ。
立花優樹 15歳、地元の市立中学校に通う普通の男子中学生。
決してイケメンという訳では無いし、かといって女顔な訳でもない。
なのにどうして女子高校生?意味がわからない。
そもそもこの人はいったい誰なんだ?
優樹「あの、すいません。急に何なんですか?なんで俺の名前知ってるんです?しかも女子高校生になるとか...そもそもあなた誰なんですか?」
?「あははは、そんなに一気に聞かないでくださいよ〜。とりあえずどこか座りません?あそこの公園のベンチとかでいいんで!」
言われた通りに公園へ向かい、ベンチに腰をかけた。
?「そうですねぇ、まずは自己紹介から!初めまして、朝比奈 唯と申します!私立央常女学園で国語教師をしています!よろしくね!」
優樹「はぁ」
〔元気だなぁ、変な人だ〕
朝比奈「じゃあ、自己紹介はこれくらいで!あとは...なんだったっけ?えっと...」
優樹「なんで俺のことを知っているのか、なんで女子高校生なのか、教えて欲しいんですけど?」
もう1度聞くのは面倒だと思ったが、自分で聞いたことだ、無かったことにはしたくない。
朝比奈「そうだった!ごめんね、ありがと!なんで君のことを知ってるか、だね?あまり詳しくは言えないんだけど、一年くらい前から、君のことを調べさせてもらってたんだ。いや、君のことを、というかこのへんに住んでる男の子達を調査してたんだ。」
優樹「なぜ?」
朝比奈「それはね、我が央常女学園に女子高校生として入って貰える子を探してたんだ!ここで2つ目の質問にも答えるよ、なぜ女子高校生なのか、だよね。」
優樹「はい」
それが1番気になっていた。まぁ、理由を聞いたら話は断って帰るつもりだが…
朝比奈「私も理由自体は詳しくは知らないんだけど...何でも、うちの学園長が考えたことらしいよ。今年から、何人かの男の子を女の子として入学させて、無事卒業できたら、ご褒美として願いを何でも叶えてあげるみたい。」
優樹「は?願いを何でも?どういう事ですか??」
話が掴めない。願いを何でも、なんてそんな魔法みたいなこと出来るわけがない...
朝比奈「あぁ、ごめん。何でもは言いすぎたかもね。流石に世界征服とか、魔法使いになりたい、みたいな無茶な願いは叶えられないよ?でも、会社の社長になりたいとか、世界一周とかなら叶えられるよ!宇宙旅行とかもギリギリ叶えられるかな〜。あぁ、でも人殺しとかの犯罪行為はダメだからね。」
〔いやいやいや、十分じゃないか...社長とか世界一周なんて、そうそう出来るものじゃない。ましてや宇宙旅行なんて...いったいどうやって叶えるんだ?〕
あまりに突飛な話で黙って考え込んでしまった。
朝比奈「興味、持ってくれた?」
優樹「えぇ、まぁ、驚きはしましたけど...でも、どうやって叶えてくれるんですか?」
朝比奈さんの顔をじっと見つめた。
朝比奈「方法だね?そうだな〜。例えば、社長になりたいっていう願いだったら、卒業後いきなり社長!ってなっても上手くいくはずがないでしょ?だから在学中に社長として必要な知識や技術を学んでもらって、卒業後2年くらいは平社員として働いて実際に経験を積んでもらって、その後、私たちの力で社長になってもらって、働いてもらう感じかな〜。どんな会社かは、事前に教えてね?
世界一周だったら、1番安全なルートを調べて、必要な知識、この場合は言語とマナーだね、を学んでもらって、卒業後に実際に行ってもらう感じかな!お金は私たちでなんとかするよ!宇宙旅行も同じ感じかな、世界一周よりは勉強が難しいけどね。」
〔凄い、かなり現実的に思えるな。ただ、学校の力が何なのか気にはなるが〕
朝比奈「どう?悪い話じゃないと思うんだけどなぁ...やってみない?あ、ちゃんと高校卒業資格は取れるよ!ちゃんと学校だからね!授業は、普通科の勉強プラス願いを叶えるために必要な勉強で1日6限、1限は50分間、もちろん月曜から金曜の週5は学校で土日は休み、部活も希望があれば入れるよ!」
優樹「願い関係以外は、案外普通ですね」
素直に思ったことを口にした、すると朝比奈さんは続きを話し始めた。
朝比奈「まぁ、一応普通の高校だからね。でも、まだあるよ?まず、もし学校に通うことになれば寮に入ってもらう。生活費は全て学校側で負担するよ、お小遣いも毎月渡すしね。だから、バイトは禁止。それと、無断外出も禁止。用事があれば事前に言ってね?あとは...」
ここまで聞いていて、正直やってみてもいいかなと思い始めていた。ただ、ひとつ引っかかっていることがあったが...
朝比奈「あっ!1番大事なことを伝え忘れてた!学校内、もちろん寮でもだけど、君には女の子として生活してもらう!まぁ、簡単に言えば女装だね。そして、君は男であることを周りの子達にバレてはいけない。もしバレてしまった場合は退学処分になってしまう、願いを叶えるという話も無しだ。学校は別の高校へ変わってもらうよ。わかったかな?」
優樹「えっ、はい。わかりました...」
そう、最初に言っていた女子高校生になるというのはこういう事だったのだ。女子高校生のフリをして、男であること隠し卒業する。そうすれば自分の願いが叶うのだ。
優樹「あの、あといくつか質問してもいいですか?」
朝比奈さんに問いかける
朝比奈「質問が多いなぁ、でも、うん、いいよ。なんだい?」
優樹「なぜ女子高校生のフリをしなければならないんです?あともう一つ、僕以外に何人男が入る予定なんですか?」
朝比奈「うーん、ごめんね。どちらの質問も答えられないや。私が知らないというのもあるんだけど、もし知っていても教えちゃいけないことになってるんだ。どうしても気になるんだったら、直接学園長に聞くか、自分で調べてもらうしかないや。」
優樹「そうですか、残念です。」
少しガッカリした。でも、今まで色々と教えてくれたのに、言えないのならどうしようもない事なのだろう。そう自分に言い聞かせた。
朝比奈「で、だ!どうだい?入学、してみないかい?」
朝比奈さんはニッコリと笑った。話しかけてきた時と同じ笑顔だ。
優樹「そうですね、入学したいとは思いますが、親に聞いてみないことには...」
朝比奈「それなら大丈夫!優樹くんの親御さんにはもう話をしてあるよ!OKももらってる!だから、あとは優樹くんの意志だけだよ。」
優樹「そうですか、わかりました。」
優樹「では、3年間よろしくおねがいします。」
朝比奈さんの目をまっすぐ見て、頭を下げた
朝比奈「はい!こちらこそよろしくおねがいします!立花 優樹くん!」
朝比奈さんは手を差し伸べた。俺も同じように手を出し、握手をした。
朝比奈「じゃあ、4月1日に自宅に迎えに行くから、寮生活の用意をしておいてね!」
優樹「はい、わかりました。では、これで...」
朝比奈「ちょっと待って!最後に一つだけ、優樹くん、君の願いは何かな?」
朝比奈さんはこちらをじっと見つめている。俺は少し息を吸って、
優樹「俺の、俺の願いはーーーーーー」
続く
お読みいただきありがとうございました。
まだまだ未熟で読みにくいと思います。どんどんコメントしてください。改良していきます!
続きの更新は未定(まだ考えてない)ですが、気長に待っていて下さい♡