第30話スピンオフ 異能高校終始学園
ある日突然、異世界召喚された引きこもり高校生櫻見奏人。
彼が召喚されたのは異能と呼ばれる人ならざる力によって事実上支配された世界……ではなく、異能によって支配された学園だった!? メタ発言なんて当たり前!?
――何でもありなタクトの学園生活が今始まる!?
※ 本スピンオフは台詞のみの話となっております。
エレナ「二人は知っていますか? 今日からこの終始学園に新しく転校生が来るそうです! しかも、私たちのクラスに来るそうですよ!」
オリヴィア「まあ、それは楽しみですの」
タクト「おぉ! マジか! どんなやつなんだろうな? ってか何でお前ら高校にいるんだよ?」
エレナ「細かい設定はこの際どうでもいいんですよ!」
タクト「設定って言った? 今、普通に設定って言っただろ! オリヴィア聞いたか?」
オリヴィア「あら、私は設定なんて言葉は聞いていませんの」
タクト「いや、確実に聞こえてたよな! 取り返しがつかないくらいはっきりと設定って言ってるし! お前らスピンオフだからって何でもありって訳じゃないんだぞ!」
エレナ「来ましたよ!」
テミス「お前ら! 席に着け! 出欠を確認するぞ!」
タクト「げっ! テミスさん! まさかこのクラスの担任がテミスさんだったとは……」
テミス「何だ? 私に何か文句でもあるのか?」
タクト「いや、ないです……」
テミス「うむ、それでいい。見たところ全員揃っているな?」
オリヴィア「はい、全員おりますの」
タクト「えっ? このクラスって俺たちしかいないのか?」
エレナ「何を今さら言ってるんですか! しかし、それも今日までですよ! 何せ転校生が来るんですからね!」
テミス「どうやら既に情報は回っているようだな。ならば前置きはなしだ。入っていいぞ!」
マキナ「はじめまして。私はマキナって言います。今日からこのクラスで一緒に過ごすことになりました。よろしくお願いします」
タクト「転校生ってやっぱりマキナのことか!」
エレナ「タクトは転校生のことを知っているんですか?」
タクト「おい、何言ってんだよ? マキナだぞ? お前らだって知ってるだろ?」
オリヴィア「私は存じ上げませんの。そういう設定ですわ」
タクト「え、そうなのか! さっきから俺にはその設定ってやつが全然理解出来ないんだが……」
エレナ「はい! はいはい!」
テミス「何だ?」
エレナ「転校生のマキナに質問があります!」
マキナ「何でも聞いて」
エレナ「マキナはもう部活は決めましたか? まだなら是非とも私と一緒に黒魔術研究会に入りませんか! ええ、そうしましょう! 今ならマントも帽子もタダで支給されますよ!」
タクト「早速、勧誘かよ! ってか何だよその怪しい部活は!」
マキナ「えーと、私はお料理研究部に入ろうかしら」
オリヴィア「あら、それでは私と同じ部ですの」
タクト「お前ら二人とも部活に入ってたのか?」
オリヴィア「何を言ってますの? タクトも部活動をしているじゃないですの?」
タクト「え? 俺が? 一体何部だよ?」
テミス「忘れたのか? お前はシスコン部だ」
タクト「何だよその部活! いや、待てよ? 意外にいいものなんじゃね?」
テミス「妹の名前を叫びながら意味もなく校庭を走り続けるだけの憐れな部活だ」
タクト「それ何の意味があるんだよ! 部活でも何でもねぇだろ! ただの不審者じゃねぇか!」
テミス「マキナは空いてる席に座れ」
マキナ「はい」
タクト「あれ? 空いてる席って俺の隣の席じゃね?」
マキナ「あの! 黒板が見えない気がするので席を替えてもらってもいいですか?」
タクト「おい! それは幾ら何でも酷過ぎるだろ!」
マキナ「違うの! 本当に黒板が見えない気がするの! 別にタクトのことがどうとかじゃないの! そう言えって台本書いてあったの!」
タクト「台本!? 今、台本って言った?」
テミス「うむ、なら仕方がない……私がタクトの隣に座るとしよう!」
タクト「何でテミスさんが俺の隣に座るんだよ! クラスの担任だろうが!」
テミス「私は教師ではない日直だ」
タクト「え? じゃあ、このクラスの担任って?」
ジュニア「ばっちい!」
タクト「お前かよ!」
ジュニア「ばっちい!」
エレナ「ふむふむ、先生に向かってお前は失礼だと言っています!」
ジュニア「ばっちい!」
エレナ「ふむふむ、罰として黒魔術研究会に入れと言っています!」
タクト「絶対そんなこと言ってねぇだろ! 勝手に通訳するな!」
オリヴィア「そう言われましても先生の言葉が理解出来るのはこのクラスでエレナだけですの」
テミス「私には何か怒っているように見えるぞ?」
マキナ「何かしら?」
ジュニア「ばっちい!」
エレナ「ふむふむ、それでは授業を始めると言っています!」
ジュニア「ばっちい!」
エレナ「ふむふむ、今日は自習だそうです!」
タクト「自習かよー!」




