プロローグ
短いです。
幾千、幾万もの永い年月、此の地に喚ばれて来た物達。
其れは人であり、物であり、異形の物であった。
そして喚ぶものと喚ばれるもの、傍観するもの、干渉するもの。
そして憎むもの・・・
幾つもの想いが重なり、今、新しい時が動き出す!
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その男はつい数分前に目を覚ましてから、途方に暮れていた。
そこはとても静かで自分の息づかいが聞こえるのみで、それ以外の音は一切聞こえず静寂に包まれていた。
しかも真っ暗で何も見る事は出来なかったのである。
再び周囲を見回すが、やはり暗すぎて何も見えない。
いくら待っても目が暗闇に慣れる事は無かったのだ。
「此処はいったい・・・
何の音もしないし、気配がない。
それに何でこんなに暗いんだ? 明かり1つ見えない。」
「此処は何処なんだ?」
男の名前は荒蒔 刻雄
何故こんな事になったのか、意味が分からず、何とか思い出そうと首を捻って考え込む。
おぼろ気に思い出してきたのは、「確か中学の同窓会に出て、久しぶりに合う同級生と楽しく話して呑みまくり、テンションが下がらずにカラオケに行き、二次会、三次会とはしごをした。
そこ迄は覚えている。」
「だけどそれからどうしたんだろう?
他の皆は何処だ?
何故一人で居るんだ?
そして何でこんなにも暗い所に居るんだ?」
必死に考えを巡らせてみるも、答えは出ない。
そして床の冷たさに耐えきれず、立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。
兎にも角にも出口か明かりを求めて歩き出すが、いくら歩いて周りを見渡しても真っ暗で何も見えず、手を出してみるが壁にさえ触れることも出来なかった。
どれ程の時間歩いたか分からないが、疲れてきたので1度立ち止まり、明らかに異常な状況に混乱していると、不意に頭が割れる程の痛みが襲ってきた。
耐えきれずに立ち止まり、悪寒と震えを感じながらも何とか歩き出そうと1歩を踏み出そうとしたその時!
発狂しそうな程の痛みが断続的に襲ってきたのである!
「!!!!!!!」
声も出せずにその場で踞り、そして直ぐに意識を手放してしまった。