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親愛なる古ぼけたラジオへ
赤茶けた空から雨が淡々と降っている
ラジオから流れる洪水警報
砂嵐に呑まれて朝が来るまで
目覚めて窓から空を見る
錆びついた空から雨が淡々と降っている
地面は空を鮮やかに投影し
僕は思わず二度寝をする
目が覚めた
雨が止んだ
僕は何度か目をこすった
赤茶けた目から錆が取れた
空はきれいに青色で……
『親愛なる古ぼけたラジオへ』
この紙面に詰め込まれた文字が
僕をいつしかロボットにしたのだ
『親愛なる古ぼけたラジオへ』
乳白色の風が頬を撫でた気がした