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木ノ下ニテ女ヲ待ツ、はじめの一歩
二本立てです。
早咲きの桜
まだ誰も気づかない
純情なる処女の恥じらい
早咲きの桜
まだ誰も見ようとしない
婉然たる乙女の計らい
早咲きの桜
嗚呼そして漸く
妖艶なる熟女の青春
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そして一瞬にして暗い光が僕を包んだ
暗い光が進むべき道を照らす
光の反射の具合によって
道は薄い氷に見える
「それでも進まなきゃいけない」
僕はそう思って足を地面から剥離させる
足を一歩前に踏み出すと
足は闇に呑まれてしまう
「それでも踏みこまなきゃならない」
僕は併し踏みしめるべき地面を知らない
足が地面の気配を探っているうちに
闇は静かに僕を引きずり込もうと手を伸ばす
『ココがオマエの行き止まりだ』
僕はすぐにでも足を戻したくなる
冷や汗に混じって決意が垂れ落ちる
思考と感情が乖離する
「ソレデモ僕は行かなきゃならない」
僕が氷を踏み破ろうとすると光が僕を包んだ
それはよく見る明るい光であり
そこは何の変哲もない美しい世界だった