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−そして幕が上がる−
時は夕闇。
街外れの小劇場。
壇上に一つの影が現れる。水を打ったようにその場が静まる。
「私は語りべ。物語を紡ぐもの。
今宵も皆様に極上の物語を捧げましょう・・・。」
ローブに体をすっぽり覆った女が呟く。
ほっそりと伸びた手には、大きな本が抱えられている。
漆黒のカバーのその本を軽がると開き、また呟く。
「おや?今日は学生のお客様が多いようだ。それなら、こんなお話はいかがかな・・・?」
そして、彼女は本のページを白い指でなぞりながら、言葉を紡ぎ始めた。
それは、とある学校のお話・・・