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アドルフの銃声

作者: 龍源寺直介

ベークライト樹脂が軋む

西海岸からの船便を今宵も待つ


あの男の遺伝子は残っていないだろうな

何度も何度も繰り返す


あの男の前で二度と右手をかかげるな

元帥は深く静かにいう


あのとき狂気は世界のなかで死んだ



クロムモリブデン鋼が錆びる

それくらい長い時間が経過した


あの男の遺伝子は完全に消えたのだろうな

幾度も幾度も反芻する


あの男の前で二度と踵を鳴らすな

提督は穏やかに安らかにいう


あのとき人間は悪魔を歓迎した



これはあの男が自殺した拳銃

はるかベルリンから密輸した


世界はロシアンルーレットをしている

呪われた銃でまたひとり消えてゆく


あれから人間はまた一歩神にちかづいた


最後の弔砲は決して聞えてくることなく


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― 新着の感想 ―
[一言] 拝見させていただきました、安藤と申します。独特な世界観に引き込まれました。ありがとうございます。
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