表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

御手紙

作者: 月尋
掲載日:2026/04/10

桜模様の便箋を使いましょう。

花が咲いたと、鶯の声が響いていると、お伝えします。


青い紫陽花の便箋を使いましょう。

きっと目まぐるしく日々を送っているあなたからの返事をお待ちしております。


空を仰ぐ向日葵の便箋を使いましょう。

暑い日々でも川のせせらぎは涼やかです。あの頃のように川辺で戯れたいわ。


銀杏の便箋を使いましょう。

近頃夢中になる本があるのです。貴方もきっと好きになる。

便りがないのは元気な証拠、とも申します。でも貴方の声が聞きたいわ。


次は寒椿の便箋を。

使う前にやっと貴方からの頼りが届いた。

モノクロのハガキ1枚。


真白い便箋を使いましょう。

どうして私ひとり置いて遠い所へ行ってしまわれたの?

声を聴かせて、笑顔を見せてもう一度、たったの一度で構わないから。

届かぬ御手紙、封をして。

「唇」の字で封をした手紙が見つかったと見かけました。

届かない思いを認めた文に、私には見えたのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
桜、青い紫陽花、向日葵、銀杏、寒椿。四季折々の色彩を映した便箋の上で、移りゆく季節の景色と変わらない想いを言の葉にのせて。 切なくも美しく、心に響きました。読ませていただき、ありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ