菫色の傘
夏菫を探して傘を差して歩いている
あのひとが忘れていった傘を借りて
一雨ごとに 絵の具が溶ける淡き色の花
どこで咲いているか わたしに教えて
一雨ごとに ウグイスが喉を潤し粒子が響く
糸雨よゆらす木の葉よ、傘舟よ、
菫の花咲くあのひとの心の澤までわたしを連れていってほしいのです
みつけたら、、忘れた傘を返しにきたのと
隠しきれない嬉しさに歯を見せ笑ってしまいました
一緒にお喋りをしていたら、時間は溶けるように
足元を流れゆくのです
トイレにゆくのも忘れていました
土が泥濘み、サンダルが汚れ
足先まで埋もれてしまったからと
そのまま そこで雨にうたれて咲いたのです
開いた傘は菫色、淡いの色の傘でした
溶け合った純な想いを隠すよな
泥付きのあなたの色の傘でした