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きみのその手に触れたくて 〜リメイク〜  作者: 遥風 かずら
第六章 恋敵クライマックス

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64.内緒話とウワサ話

 いつもの授業の時間、わたしは机に伏しながら居眠り中。眠っていると、誰かの話し声なんて聞こえてこない。だけど、この日に限って不思議なことに意識の中にその声が入ってきたりする。


「……葛西さんってさ、どっちが本命なんだろうね?」

「さぁ……? でも、沙奈やせい君が言ってる限りだと、七瀬くんは今フリーっぽいよ」

「それマジぃ? 狙おっかな?」


 沙奈も世も相変わらず懲りてないんだ。他の女子たちを巻き込んでまだ何か企んでいるのだろうか?


 でも、不思議でもないのかもしれない。


 七瀬とわたしは席が離れているし、普段あまり話をしていないからそう思われても仕方がないうえ、雪乃と七瀬がふたりでよく話をしている光景も今となっては既成事実的なものになっている。


 わたしはわたしで弘人と普通に話が出来るようになったから、どっちが本命かなんて思われてもしょうがないことなのかもしれない。


 そんな女子たちの噂話も実際は聞こえているし、教室で本気眠りしてないから明らかにわざとだと思う。隣の席の弘人は女子たちの話に気が気じゃないのか、わたしにこっそりと耳打ちしてくる。


(綾希さん、気にしちゃダメだよ。知らない人は勝手に言うんだしさ)


 それは本当にそうだと思う。


(俺の好きな人は綾希さんじゃなくなったけど、でも俺は味方だから。遠慮なく頼っていいから)


 弘人はわたしに告白したけど、わたしを諦めてくれた優しい人。今は席が近いおかげもあって、いつもこうして優しい言葉を投げてくれる。それこそ雪乃には聞こえないくらいの小声で。


 わたしが雪乃に抱いていた嫉妬はきっと雪乃も感じるよね。ずっと弘人の傍にいたのは雪乃だったのに弘人はわたしだけしか見てこなかった。


 そういう意味で言えば、雪乃に敵なんて言う資格なんて全然無かった。


 以前と違ってきたこと、それは昼休み時間に四人揃ってご飯を食べるようになったこと。時間になると寂しさなんて無くなるくらいに七瀬はわたしの隣にいるし、距離も近くなる。


 それなのに、どうしてその時だけなのかが理解出来なかった。


「やっぱ、土曜に休み入れたから店長にどやされた」

「泉の分も含めてだろ? じゃあ何、お前らしばらくバイト漬け?」

「そうなるね。期末の対策だけど……七瀬は綾希さんに付きっきりで教えなよ?」

「うんうん、あやきちには七瀬くんの個人レッスンがいいと思う!」


 あぁ、期末対策。


 なんて嫌なワードなんだろ。でも、七瀬とふたりでやるなら頑張れるかも。


「まぁな。てか、最初からそのつもりしてた。悪ぃけど、林崎も泉も呼ぶつもりなんてなかった」

「七瀬とふたりがいい」

「ほらな?」

「あーはいはい、分かってました」


 雪乃も弘人もバイト三昧――なんて言ってるけど、流石に期末の時はバイトも休みになることくらい知ってる。だけど、ふたりが気遣ってくれてるのは何か嬉しい。


「でも、七瀬……」

「……ん? どした?」


 どうしてか分からないけれど、他の女子たちが話していたのが気になってしまったからなのか、以前はこんなことはっきり言わなかったのに自然と口に出していた。


「いつも傍にいて欲しい」

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