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きみのその手に触れたくて 〜リメイク〜  作者: 遥風 かずら
第五章 ラブ・カルテット

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45.七瀬トライアングル②

 以前は七瀬とふたりだけで食べていた。


 だけど、今は雪乃も加わって七瀬も雪乃と仲良くなった。大した話をしているでもないけれど、一緒にいて凄く楽しいメンバー。


「今さらだけど、七瀬くんは部活とかやらないの?」

「俺は体育とか必ずやらなきゃいけないやつ以外はやらない派なんだ」


 え、奇遇。


 七瀬と同じ考えとか、何だか嬉しくなる。


「それ、わたしも!」


 思わず勢いで右手を挙げて七瀬に同意。


「や、あやきちは体育ですらやる気ないじゃん!」


 すぐに雪乃に突っ込まれてしまった。でも、冷静に考えたらそれもそうかも。


「あはは! それは言えてる。それにしても、泉さんは葛西のことにかなり詳しいんだな」

「いえいえ、あやきちは見てて楽しいですから」

「分かる! 確かにその通りなんだよ」


 わたしの話題で七瀬と雪乃はすっかりと意気投合。


 ふたりの共通話題がほとんどわたしになっていた。七瀬も雪乃とは話しやすいらしくて、わたしがいる前ではずっとそんな感じで話をしている。


 逆に弘人はわたしに気を遣ってしまうのか、七瀬がいると話がしづらいとかで昼は屋上に移動してお昼を食べているみたいだった。


 弘人は七瀬以上に繊細。そのせいか、話すことにも気を使ってしまうらしい。そんな彼の様子が何となく気になり、弘人の所へ行ってみることに。


「雪乃、それと七瀬……」


 食べてる最中にいきなりいなくなるのは変だし、一応伝えておかないと。


「ん?」

「どした、あやきち?」

「わたし、弘人のとこ行ってくる」


 ちゃんと断っていけば問題ないよね。

 

「え?」

「ちょっ……あやきち?」

「ふたりはゆっくりしてていいから」


 なにかおかしなことを言った?


 七瀬も雪乃も驚いたまま動きが止まってた。その隙にわたしはそのまま屋上に向かった。


「……七瀬くん、いいの?」

「泉さん、どういう意味で? ってか、話をするくらい別に気にしないし、それ以前に俺は綾……葛西とは付き合ってないし。泉さんこそ大丈夫なの?」

「お、おう。べ、別に話くらいするよね。友達なんだしさ。私だって、ヒロくんとはそんなんじゃないわけだし? バイト先でも話が出来るわけですからね!」

「同じバイトを始めたくらい好きなんでしょ? 何で近くに行こうとしないの? 俺は好きな奴とはどこでも一緒にいたいって思うよ?」


 雪乃と七瀬はお互いに牽制し合いながら、内心は穏やかに出来ない表情に変わっている。


「あ、うん。そうだよねぇ。あ、あはは……明日からそうする。ううん、その前にアレだ。七瀬くんは今すぐにあやきちの後を追いたまえ! 七瀬くんがいないとあの子はそのまま心を誰かに傾けてしまうかもしれないから……だから、頼みます」

「……まぁ、泉さんの気持ちが分からなくもないけど。俺が間に入る。付き合ってないけど葛西を放っておけないのは本当だしな。じゃあ、行くよ」


 渋々ながら、七瀬は屋上に向かうことに。


「よろしく! ……はぁぁ~本当に七瀬くんは嘘が下手だなぁ。あ、それは私もか。ん~決局は似た者同士……ってことか~」


 七瀬と雪乃がその後に何を話していたのかは分からない。けれど、わたしは屋上にいた弘人に声をかけていた。


 何でか知らないけれど、弘人もわたしの登場に困惑の表情を浮かべて。


「葛西さん……え? なんで?」

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