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きみのその手に触れたくて 〜リメイク〜  作者: 遥風 かずら
第一章 きっかけ

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10.たぶん、好きかも

「沙奈の好きな人って……」


 誰なのか知りたくて聞こうとしたわたしに弘人は遮るように――


「――葛西、あ、あのさ、話があるんだけどいい?」


 まるで別人なのかと疑うくらいの口調で割って入ってきた。


 ……というか、どうして遮るの? 


「あたし先帰るからさ。弘人、あとよろしく」


 それが狙いだったかのように、沙奈がこの場からいなくなろうとしている。


「用事?」

「そうでもないけど、その方がいいかなって思ったんよ。じゃあね~」


 そんな感じで置いていかれた。


 林崎弘人――彼は七瀬と同じに編入してきた男子だけど、今まであんまり話してないしそもそも合わない感じがしてた。


「沙奈と一緒にいなくていいの?」


 沙奈が帰っていった方を指差して訊いてみるも。


「いや、別に。今は葛西と話がしたい」


 そう言って弘人はわたしを見ている。


「あ、そうなんだ。何?」


 前と雰囲気が違うような?


 随分と大人しくしてるけど、実はこれが素とか?


「ごめん、前に会った時は沙奈に合わせてた。あれ、本当の俺じゃないから」


 疑問を浮かべるわたしに気づいたかのように、精一杯に首を振って否定している。


 だからといってだけど。


「あ、うん。えっと、何が?」


 別に気にしてないけど何が言いたいんだろ。普段話してない人って良くわかんないな。


「……特に用がないなら帰るけど」


 この場から帰りたいと思って踵を返そうとすると。


「俺、葛西いいなって思ってて。でも、席離れてるし話す機会無くて。だから、あいつ……沙奈に相談してた」


 すごく必死な表情で訴えてきた。


「うん……?」

「俺が気にしてるのは、本当は葛西なんだ」

「…………」


 どういう意味だろう?


「葛西は()()()のこと、好きなんだよね?」


 あいつ……?

 それって七瀬?


「ううん、違う」

「え、じゃあ……」

「ちょっと分からない」


 あれ、これって告られてるとかなのかな?


 でも答えようがないなあ。弘人のこと、全然知らないし。それにもしかしたら七瀬のことが好きになってるかもだし。


「ごめん。返事はちょっと無理」

「そ、そうか。あ、でもこれからは学校でもちょくちょく話しかけていい?」

「……それはいいけど、弘人って双子?」


 あのふざけた態度に言動――どう考えても同一人物とは思えないけど。


「へ? 何いきなり。林崎弘人は俺だけしかいないよ?」

「沙奈といた時と違うから別人なのかなって」

「面白いね。その辺、いいって思った。あいつもそうだと思う」

「はぁ、どうも……じゃあ、帰るから」


 告られたけど何にも響いてこなかった。


 これって多分知らないからだよね。そう考えると、やっぱり距離が近い方がいいな。だから七瀬のこと好きかもしれない。


 なんたって彼は優しさで出来てる。


「うん、明日学校で! じゃあな、葛西」

「また」


 わたしより先に帰った沙奈の好きな人が少しだけ気になる。だけど、沙奈のことだからそんなに本気じゃないかも。


 わたしは――弘人よりも七瀬と話が出来ればいい。


 隣の席だしすぐに話が出来るし。明日からは春眠よりも七瀬ともっと話をしようかな。

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