1年2組
ガラガラガラ…
教室の扉を開けてまず感じた事は人が多いということだった。
小学校の時は教室の裏まで机がなかったので教室全てが机で埋まっているというのはなんか新鮮な気分だ。
「えーと、僕の席は…ここか」
ラッキー!20番だから1番後ろの席だ!
しかも隣が…
「お、瑠夏隣だね〜」
「番号順の席最高だわ〜」
15番の春が隣にいるのはめっちゃ心強い!
「あっ、先生来たみたい」
「初めまして!1年間1-2の担任になりました竹内と申します。これからよろしくお願いいたします。」
僕らの担任を1年間してくれる竹内先生は若い男性の先生だ、優しい先生だといいな〜
「ではまずみんなの事をよく知りたいと思うので自己紹介したいと思います。まず先生の私からしますね。竹内 涼と言います。今年で24歳になります。まだ教師になってそんなにたってないけどみんなよろしくね!」
「それじゃ、みんなの自己紹介も聞こうかな…申し訳ないけど番号順で行かせて貰うね、1番の青木さんからよろしくお願いします。」
地獄の時間が来てしまった…来ることはわかっていたけどこの自己紹介イベントが辛すぎる
やばい、何言おうかな変なことは言えないよな…そんなキャラでもないしというかなんにも思いつかないし…うん無難に行こう!でもこんな大勢の前で言うなんてめっちゃ噛みそうだな、噛んだら恥ずかしいしバカにされそうだな〜嫌だな〜ほんとに
なんて考えてたらもう19番の子が呼ばれてる
ずっと緊張してたせいでこれまでの自己紹介ぜんっぜん覚えてないや
「…がとうございました。じゃ次!20番の林くん!よろしくね!」
「っはい!」
何とか声は裏返らなかった とりあえず深呼吸しながら教壇に向かおう
「じゃ自己紹介よろしくね!」
「〇〇小学校から来ました林 瑠夏と言います。えっと…仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします。」
「はい!林くんありがとうございました。じゃ…」
何とか終わった…足がガクガクしてる脇と背中の汗もとんでもないことになってるや
「おつかれ」
隣の春が声を掛けてきてくれた
春にはほんとに救われるな
「ありがと」
この数分で1日分のカロリー使った気がする…
「はーい皆さん自己紹介ありがとうございました〜では明日からの流れについて説明していきますね〜」
どうやら明日からもう早速授業が始まるらしい
なんかたくさんプリントが配られたけど何がなにやら、、、まぁとりあえず母さんに投げとこう
お、1週間の時間割も配られたこれは後でゆっくり確認しよっと
「では本日はここまでにしたいと思います。明日から遅れないように来てくださいね」
「はあ〜…終わったぁぁぁ」
「噛まずに言えて良かったね」
「いやほんとにそう思う汗とか心臓の音とか凄かったよまじで」
「めっちゃ緊張してるのがよくわかったよ」
やっぱりあれだけ緊張してたら春にバレるよな〜
「何とかなってほんとに良かった…んじゃ帰ろかな〜」
「ちょーっと待ちなさい」
振り向いて帰ろうとした僕の肩を春がガシッと掴んできた ちょっと嫌な予感がする
「……はいなんでしょうか」
「あなた仲良くしてくれると嬉しいって言ったわよね?」
「いやまぁ言いましたけどあれはなんというかその」
「ほら、ごちゃごちゃ言ってないで新しい友達と仲良くなりに行くわよ」
そう言って春は僕の肩を押しながら教室の隅に連れていく
「おーい!蒼太!若菜!」