『道長、伊周の速記シャープの由緒を聞き、遁走のこと』速記談2005
道長公が伊周公の牛車に同乗なさり、伊尹公のもとへ訪れなさるとき、速記の話をしながら向かわれた。伊周公の速記シャープの書き心地が見事で、サ行とタ行が連続するところや、揺り継ぎが連続するところの筆運びが、実になめらかであったので、この速記シャープはどこで手に入れたのかと尋ねたところ、伊周公は、八坂神社に奉納されていたものを譲ってもらったのです、と自慢げにお答えになった。すると道長公は、とんでもないことだ、帝でもなさらないことなのに、とおっしゃって、牛車を飛び降りるようにして降り、二度と伊周公と同乗しようとはなさらなかった。
教訓:伊周公の気持ちも、わからないではない。