関税は雇用を増やさない
関税は雇用を増やしません。
貿易赤字は良いか悪いか実はどちらでもないんです。
貿易赤字国アメリカは、ドルを刷るだけで物を買える。
これはこれで楽よね。
→刷ったドルは最終的にアメリカ製品を買う為に返ってくる。
→貿易黒字国はドルを永久にためておかない限りアメリカからより多くの品物を買わざるを得ない。
しかもドルがアメリカに返ってくるのが遅ければ遅い程インフレ分アメリカは得をする。
アメリカが貿易赤字を積み上げれば積み上げる程、それは将来の貿易黒字になる。
では雇用を見てみよう
関税を設けなかったために
アメリカ国内でTシャツ1枚20ドルで売っている工場が中国へ移設され
1000人の失業者が出たとしよう。
これが見える損失
その結果中国から1枚5ドルのTシャツが輸入されアメリカ人はTシャツを
以前より15ドル安く買えるようになった。
実は節約された15ドルでアメリカ人は別の何かを買う事が出来る
その結果どこかでその分の雇用が生まれる。
これが見えない利益
たとえ節約された15ドルが外国製品でもその結果節約できた別のと続く
そうやって15ドルを得た中国はドルを得たので
最終的にはアメリカ製品を買わざるを得ない。
つまりアメリカに輸出する国は、
その分アメリカ製品を買わざるを得ない。
こうやって見ればアメリカの雇用は差し引きでは変わらない。
ではここに15ドルの関税をかけて中国のTシャツを20ドルにした場合
中国に移設していたTシャツ工場がアメリカに返ってきたとしよう。
その結果アメリカの雇用はTシャツ交渉1000分増える。
しかし今まで5ドルで買えていたTシャツが15ドル値上がりしたので
消費者はその分外食を控えるかもしれない。
その結果外食産業から15ドル分の雇用が失われる。
つまりTシャツに課税してもアメリカ人の所得は増えない
恐らく低賃金労働者がアメリカ国内に増える可能性はあるが
理屈としては雇用も賃金も需要も増えない。
関税が上がった分のゆとりが減るその結果
関税無しで稼げていた高効率産業から関税が無いと成り立たない低効率産業へ所得が移るだけ
保護された産業では関税が無かった時より賃金が上がるかもしれないが、
あらゆる産業を全体で見ると関税が無かった時よりある場合は必ず実質賃金の低下を招く。
人類が何世代にもわたって物流システムを改善し続けた理由を考えた方がいいです。
高速道路に沢山の料金所を作って喜んでいるだけ
関税とは生産者を守り消費者を切り捨てる社会主義政策の1つ
消費者は生産者であるとの反論があると思う。ならば
関税で守られる生産者だけ関税で得をする。
もっと言うなら相対的に大きな輸出市場で働いている生産者が犠牲になる
関税がメチャメチャ高くどの国からも輸入が絶えたとすると
そうすると外国はアメリカドルを手に入れる手段の殆どが失われる
手に入れる手段は、
外国企業がアメリカに工場をそこで稼いだドルだけになる
その結果他国は猛烈なドル不足となりドル高を招く
その結果アメリカの輸出関連企業は倒産に晒される エルピーダみたいに
長期的にみると関税は雇用には影響はないが先にも言った通り
実質賃金は確実に下がる。
関税の議論って今から約80年前の1946年に大体終わっているんです。




