うちのダンナ詩集 ワイト島から歩き去った君へ 作者: 陸 なるみ 掲載日:2022/08/28 浜に立つ姿 夢に出る夜(よ) 遠くなる声も 月に照るよ 後ろ背は僅(はつ)か 波寄せ砂 洗う絵も静か 音逸らすな 干潟は足跡(そくせき) 残しいつか 闇に清(さや)か。この 手が届くか? 沈黙(しじま)は拡がり 見渡す先 翳(かす)みて置き去り 床ガラ空き 朝(あした)降る雨は 惑う涙 独り経(ふ)る身、刻(とき) 充ちず、「まだだ」 導きを今は 居待ち堪(た)えつ 冷えても今際(いまわ)に 遺した熱 捉えて離さず 甘く酔いて …逢瀬はいつも 十六夜にて 好きな貝殻(かい)手にし 君に逢うと 想い侘びて死に 末も添うと 思い侘びて詩に これからもそうと 「…そうだ、末世(すえ)も添うともよ!」