レベル3ステージ1:前を見るとき
前回のあらすじ
快は三度目の土下座をして、アンナイに聖騎士になりたいと告げて、許可をもらった。
俺たちは聖騎士関連で、アルトリウスの家を訪問した。あらかじめ、どの辺にどのような人物が住んでいるのかをスマホを使って、写真を撮っておいて正解だった。
「君たちどうしたんだい?」
「頼みがあって、ここへ来た。」
「こんな僕でも良ければ、話を聞くよ。」
俺たちはアルトリウスに案内されて、居間までやってきた。"こんな僕"か。気にしているのか。
「そんなことを言うなよ。こっちも改まらなくちゃいけなくなる。」
と言いつつ、俺はアルトリウスの召し使いの人たちに冒険者カードを渡した。
「君も丁寧になりすぎでしょ笑。」
アルトリウスの笑った顔を久々に見た気がするな。ランクアップ争奪戦では、どこか油断も隙もない状態を維持しているように思われた。
「あれからどうした?アルトリウス。」
俺がそう聞くと、アルトリウスは暗くなった。
「僕のせいで、この家の風評被害出るようになったんだ。父にも母にも落ちこぼれの役立たずなどを言われたよ。世の中世知辛い。」
快は真剣に聞いていると今まで沈黙をしてきたボディラダ、メルシア、ソラが言った。
「周りを気にするなよ。お前の信じるところだけを信用するんだ。父がなんだ、母がなんだ。笑わせる。」
「そーだっそーだっ!」
「ホーケロッ!」
俺は手を出して、3人の声を止ませた。すると、アルトリウスはネガティブそうに言った。
「君たちには分からないさ。僕の気持ちなんて…」
「あぁ。分からない。」
快は少しアルトリウスに渇を入れることにした。
「俺の大切にしている教訓があるじっくり聞いてくれ。"生きとし生きる者、過ごすは苦にあらず。道なき道のはてへ歩け。すれば光に到着す。"」
アルトリウスは真剣に聞いてくれた。
「世の中あまくないのは当たり前だ。だからこそ、自分で生きてみよ。と言われるんだ。抗ってみせよ。と言われるんだ。たとえ、どん底にいたよしてもだ。」
俺がそう言うと、ボディラダは拍手して、ソラ&メルシアは泣いていた。アルトリウスは少し天を見た。そして
「君たちの言う通りだ。僕はつまらないことばっかり気にしていたようだ。」
「それでこそ、アルトリウスだ。」
俺とアルトリウスはお互いに手を握りあった。そこにソラ、メルシア、ボディラダ、そしてアルトリウスの召し使いさんも誘い、俺たちは誓いあった。
快はここへ来た理由を思い出して、アルトリウスに言った。もちろん、フォレト村での話、ジラードの話もしたのである。
「なるほどね。」
「できそうか?」
俺がそう言うと、アルトリウスは問題ないみたいな顔になった。
「僕の招待ということにすれば、行けるさ。」
それで、俺たちはアルトリウスに聖騎士育成場へ案内された。
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今回も読んでいただきありがとうございます。レベル3ステージ1いかがだったでしょうか?
快の教訓が出てきました。これは言ってはあれですが、実はそれ。パッと思い付いたものなのです笑。こんな風に言っとけば、カッコいいやろ。的な安直な考えです笑。
次回も絶対に見てね