レベル2ステージ12ミッション13:ランクアップ争奪戦(13)
前回のあらすじ
ガレンの見舞いに来て、元気そうなガレンを見て、名雲VSアルトリウスの試合を快は見た。名雲がアルトリウスの地雷を踏んでしまい、アルトリウスに傷を負わせられたのである。
俺は医務室のなかに入った。そこには治療を受けている明がいた。
「ボディラダ、大丈夫なのか?」
「急所ではないから、大丈夫ではあるけれども、全治1ヶ月ってところね。」
命は大丈夫みたいなのを少し安心した。だが、アルトリウスが相手は事情をまったく知らない相手なのに、ここまでするとは思わなかったな。
「さっきの続きになるのだが、アルトリウスの地雷は正確には何だ?」
俺は残っていたことを知るべく聞いた。
「剣聖の家系はね、今のアルトリウスではランクSが当たり前と言われてるのよ。でも、アルトリウスはランクAA。家系内では、一番の弱者や落ちこぼれ、できそこないとも言われているのよ。それが苦痛で仕方がないのよ、アルトリウスは。」
なるほど、家系的なあれで…。つまり、アルトリウスは剣聖の家系というしばられている状態が今もなお続いているから、何も分からない人に土足で踏み入れられるのが気に食わないのか。
「アルトリウス…少し可哀想だな。明をこんなことにしたのは許せないけれど。」
「そうですねぇ。こんなことになって許せませんけど。」
俺たちはアルトリウスへの批判を強くしつつも、同情することにした。
しばらくずると、医務室のドアが開いた。そこからはシャルロッテが現れた。
「あれ?シャルロッテさん、試合はどうしたのですか?」
「そこのミヨちゃんが棄権したから、ここにいるのよ。」
よくよく見てみると、ミヨもいた。ガレンのために棄権したのか。
「それよりも、そこの子の傷が深いわね。見てあげる。」
シャルロッテは明の傷口を見て頷くと、詠唱を唱え始めた。
「万物を癒したもう。"フルヒール"。」
すると、明の傷が塞がり身体も何もない状態になった。さっきまで苦しんでいた明は、フルヒールのおかげでスーっスーっと寝息を立てて始めた。
「そ、その魔法は最上級回復魔法!?ま、まさかあなたは!」
ミヨがそう言うと、シャルロッテはシーっというポーズをして、止めた。
「アルトリウスはひどいわね、こんなことをしちゃうなんてね。」
「アルトリウスの気持ちは分からなくもないですが、これはちょっと…」
俺はため息をしながら、言葉を漏らすとシャルロッテは
「ちょっとお仕置きしなきゃダメね、あの子。」
と小さな声で言った。
「永瀬 快様、闘技場へと来てください。Aブロック決勝戦が開始します。」
マルレッタからのアナウンスが入った。行かなければな。
「シャルロッテさん、明のことありがとうございます!それでは行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
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今回も読んでいただきありがとうございます。レベル2ステージ12ミッション13いかがだったでしょうか?
最上級回復魔法というワードが出てきたので、補足を。最上級回復魔法はこの世界での一番の回復技であり、習得できるのは極一部の実力者のみという条件がつきます。シャルロッテはいったい何者なのかはこの先のお楽しみに。
それでは次回にてまた会いましょう