レベル2ステージ12ミッション11:ランクアップ争奪戦(11)
前回のあらすじ
快はバフを付けたが、身体が耐えられなくなり、奥の手である無敵バフを使用。ギリギリのところで勝利を納める。
俺は控え室に行くと、アンナイたちが出迎えてくれた。
「Dランクがよく勝てたわね。とすごく思うわ。快。」
「ちょっと運が良かったってのもあるさ。何もなしだったら、負けていた。」
正直、ヒラノとの特訓がなかったら、ボディラダにボコボコにされて、病院送りにされてたのは間違いなかった。俺がそんなことを思っていると、ソラとメルシアが抱きついてきた。
「うおっ。な、何だよ。」
「ホーケロッ!」
「ソラ君の仇をとってくれて、ありがとうね!」
メルシアもなんだかんだで、ソラのことを気にしているようだな。俺はこの2人と繋がっているが、2人は繋がっていない。だから、ソラがどう思ってるのかを少しでも分かるために、メルシアなりに努力しているのだ。
「永瀬さん、すごいですね!僕、感動しましたよ!」
いつの間にやら、部屋に入ってきていた名雲が言った。
「というか、名前で呼ばないのか?最初は、名前だったぞ?」
「いえ、永瀬さんは素晴らしい方だということが分かりました!だから、尊敬の眼差しで!」
名雲の口調変化に戸惑いながらも、受け入れる快。
「能力なしと言っていましたが、もはやそんなことないように思えます!強すぎると思います!」
「お、おぅ。能力アリのあんたからの言葉、ありがたく受けとるよ。あっできれば、証明書で」
「どういうことですか笑」
俺と名雲は笑い、アンナイたちは呆然としていた。まぁ、元の世界でのこれはこっちの世界では通じないからな。俺たちが笑っていると、ドアが開き、ボディラダがやってきた。
「な、何だよ。ボディラダ?」
「ちょーっと、話したいことがあるの。」
ボディラダは俺の向かい側に座った。
「私ね、あなたのファンになっちゃった!」
は?俺は腑抜けな状態になった。
「あなたの戦い方や、考えに惚れ惚れしてしまってねぇ。だから、あなたのためにいくらでも動く兵士に私はなるって決めたのよぉ!」
うげっ、マジかよ。俺は思わず、引いてしまった。それは俺だけではなく、全員引いていた。アンナイだけがうんうんと頷いていた。
「だから、ご主人!何かご命令を!」
えっえぇ。今、決めるのか!?俺は助けを求めたが、スルーされた。しかたなく、俺は1つだけお願いした。
「ほ、ほんじゃあ観客席まで運んでくれない?」
「喜んで!」
ボディラダは俺を担ぎ上げて、全速力で走った。2回戦のガレンの試合がもうやっているため、観ることにしていたのだ。俺はそんな呑気なことを思いながら、観客席に行った。そこから、聞こえたのはありえないアナウンス。
「試合時間10秒!!!試合時間10秒で決着!!!勝者:ジルドス!!!」
俺は急いで見た。そこにはいかにもボコボコに倒されてしまったガレンの姿が。
「お兄ちゃん!!!」
ミヨが叫び、ガレンを医務室に運んだ。ジルドスは戻る途中に、俺を一瞥した。まるで、次はお前だみたいな構えだ。俺は息をのみ、ボディラダに頼み医務室へ行った。
今回も読んでいただきありがとうございます。レベル2ステージ12ミッション11いかがだったでしょうか?
ジルドスとガレンの試合はジルドスが強すぎるということを出すために、ボコボコという展開にしました。最初のボディラダ現象と同じですね。ガレンすまぬ!
それでは次回にてまた会いましょう