ステージ3:新たな仕事を求めて
前回までのあらすじ
永瀬 快は言葉を喋れるようにするためにジウの力を借りて、言語取得をするように努力した。
その結果、1週間で扱えるようになったのだ
言葉を取得した快は果物屋は自分にはあまり合わないと判断して、新しい仕事を探しに行くためにジウのところを出ようとしていた。そんな時にジウは少し寂しげな顔をしていた。快は不思議思い、ジウに聞いた。
「どうした?」
「いやこれでお別れかと思うと少しな…グッと来るのがあるんだ。」
「なんだ、そんなことか。安心してくれよ、ジウにある意味育ててもらったことはとても感謝しているんだ。そんな人を一人にばっかはしないさ。たまには遊びに来る。」
「快…。」
ジウは小さな声でいらない心配だったなと言って、快を送り出そうとした。
だが、その直前にジウはとあることに気がついた。
「働くって言ってたけどもどこで働くの?」
「あ」
快はそこのところ何も考えていなかった。言葉を喋れるようになったとはいえ、働ける環境が一切なければ意味がないのだ。
「ど、どうしよう。ジウ。」
「この辺でうち以外で働けるところと言ったらないな。どこも人員が間に合ってるし、かといって劣悪な環境とかでもないから離職率はかなり低いんだよな…。」
「じゃあ他の街とか…」
「こっからだと一番近い街でも10日ほどかかるのだが。」
オワタ。俺の人生果物屋で決定だな。ハハッ…。
「まぁ強いて言うならあるけれども。」
「それは一体何?」
「他の仕事場よりとても劣悪な環境だけれども良いの?」
「問題ない。それでそれは何?」
「冒険者だよ。」
ジウは冒険者に関して快に説明した。冒険者はどの仕事場よりも危険が付きまとう。依頼を受けたら必ず成功させなくちゃならない。それに加えて移動費や医療費は全て実費であり、無料でもらえるのは木の装備だけなのだと。さらに言うならランク制度がありF、D、D+、C、+C、B-、B、B+、A-、A、A+、AA、S、SSに分けられて上に上がれば上がるほど報酬も上がるが、難易度も跳ね上がる形式だと言う。そして、一番の問題は依頼達成者が報酬をその依頼で関わった人たちに分配する権利が与えられる。つまり、競争率が激しいのだと。
なるほど、全然劣悪じゃないな。どう考えても凍境の方が圧倒的にブラックだし、自由性が保証されていない。冒険者の方が絶対にマシだ。それにだ。冒険者なら俺と同じブラックホールに吸い込まれたであろう仁美やクソ上司と再開できるかもしれないからな
「それでも構わない。むしろ、俺が元々働いていた仕事場に比べたら全然ホワイトだ。」
快がそう言うとジウはどんなところで働いてたんだという顔をしながら、快を冒険者ギルドへと案内した。
ジウの家から歩いて10分でギルドに到着した。巨大テントみたいな作りになっていて、中から布を見ると太陽などが透けて見える。ジウはさっそく、受付の人に話しかけた。
「あの、すみません。俺の後ろにいる人が冒険者やりたいって言ってるのだけれどもできそう?」
「えぇ、問題なくできますよ。ですが、冒険者はとても過酷ですよ?それでも大丈夫ですか?」
受付の方にそう言われたが、俺は決心を変えずに頷いた
「分かりました。ではこちらへ。」
その後、快は写真を撮られたり、耳の穴をほじくられたりしたが無事に冒険者登録に成功した。
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今回も読んでいただきありがとうございます。
少しあの職業になるのに回りくどくしましたが、このステージはこれが限界かなと考えた所存なのです。
それでは次回お会いしましょう。




