レベル2ステージ11:仲間(4)
前回までのあらすじ
アンナイの作戦により、動いた俺たち。地下通路を行くうちに、ロボットみたいなやつと戦った。長期戦は無理と考えた快は短期戦を仕掛けることを決意した。
「全員、今できる最大の技をあいつにぶつけるんだ!賭けだが、行くぞ!」
「えっちょ」
俺はケモドの制止を聞かずに、すぐソラたちに全ステータスアップのバフを付与した。
「3人とも頼んだ!」
「ホーケロッ!」
「賭けと言ったのは、そういうことかよ。」
「わ、分かった!」
俺のバフによって、3人は自信を取り戻して、そのロボットに全力の一撃を同時に与えた。
「ホーケロッ!!!」
「凍結!」
「ツギハギブレイク!」
ソラが突風を吹かせて、メルシアがその風を凍結させて、ロボットが凍りついた。そこにケモドが切り刻みを行った。その結果、苦戦こそしたけれども、勝利を納めることができた。
「やった。勝っ」
「危ない!」
俺がメルシアを突き飛ばしたことで、ロボットの破片は全て、俺の肩に突き刺さった。
「快さん、大丈夫?」
「俺がかつて働いてていた企業は鬼畜の所業だった。俺は、そこでもっとひどいことも起きたこともある。だから、こんな傷は大したこともない。メルシア、無事で良かった。」
メルシアは俺の傷を見て、舌でなめようとしたけど、俺は制止させた。
「さぁ、3人とも行くぞ。」
俺がそう言って、ソラたちをリードした。
少し行った先に、獣人の人たちが牢獄から、こちらを見ていた。どうやら、快たちの戦闘の音に感ずいたんだろう。
「お父様!」
「メルシア!」
メルシアはすぐに、牢屋の鉄格子をこじ開けて、皆を中から出した。
「お父様と他の皆さん、あまり時間がないの…。だから、ついてきて!」
メルシアがそう言うと、状況を察した獣人の王様は皆に命令した。
「我々はこれから自由になる。だから、ここからは誰一人も欠けることは許さない。良いな!」
「「「御意!!!」」」
俺は確認を取れたから、皆を引き連れた。
~しばらく歩き続けること20分~
俺たちはアンナイが言っていた王国の外に出ることができる場所にたどり着いた。
「ここから、出ると誰からもバレずに脱出することができます。それで王様に問いたいです。ここからどこに行くのかを。」
俺は王様に向かい合って、そう言った。
「まずは、死んだ者たちの供養だ。そこから先は何も考えていない。」
快は持っていた紙を取り出して、王様に差し出した。
「これは?」
「俺が信頼する村で、フォレト村というところです。半信半疑でも良いので、行ってみてください。この紙に記された通りに行くと着けます。そして、永瀬 快に紹介されて来たと言ってください。」
俺がそう言うと、王様は笑った。
「人間も悪いやつらばかりじゃないのか!良いやつもいれば、悪いやつもいると…ありがとう。永瀬 快。」
「いえいえ。」
そして、獣人の人たちは一人ずつ外へ出ていき、ケモドが出た段階で快とソラ、王様、メルシアが残った。
「さぁ、メルシア行くぞ。」
「お父様、お願いがございます。」
メルシアは前に出て、ペコリとした。
「メルは快さんと一緒にいたいです。」
俺は思わず、声をあげそうになった。
「…なぜだ?」
「メルは今、快さんが主という状態になっています。それに、ここまでしてもらって、何も恩返しをなしではメルは嫌です!」
メルシアの主は俺と言ったことで、王様はジトッと俺を見たが、フッと笑った。
「我が娘よ、ここまで大きくなりおって…。」
王様はメルシアを抱きしめた。メルシアも精一杯、抱きしめた。
「永瀬 快よ。娘を大事にしろよ?」
「もちろんです。」
そうして、王様は出ていき、俺は出口の扉を閉めた。
「帰ろう!快さん!」
「あぁ。」
メルシアが仲間になった。▼
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今回も読んでいただきありがとうございます。レベル2ステージ11いかがだったでしょうか?
ケモドが少しの間、メンバーに入っていました。ですが、仲間になったのはメルシアです。皆さんはどちらが仲間になってほしかったとかありますか?僕が読者視点になるのであれば、メルシアを選択するので、メルシアにしました笑。
それでは次回にてまた会いましょう