レベル2ステージ3:自分たちの家
前回までのあらすじ
凍境ブラックPRに来た快とソラ。そこで後輩の社 仁美と上司の黒柳 一正と再開。そこでもう一回、凍境で働かないかと言われるが断った快であった。
快は凍境ブラックPRを出て、ソラの魔鳥カードを見てランクを把握した。
「ランクD+ランクか…俺より上なのが気になるけれども今はいっか。」
快は今、凍境がここに来ている衝撃とチート能力もちの後輩と上司を思い浮かべてしまい、ソラを気にする余裕がない状況だ。ソラもその事を察してか、快の顔をなめている。
「どうしたの、そんな顔をして。」
自由時間の待ち合わせの手前でアンナイと出会った俺。反応する気力もなく、呆然としていた。
「フフッ、その感じだとソラの方がランクが高くて落ち込んでいるのかしら?」
「あぁ、まぁそれもあるかな…。」
「気になるから、そこから先も教えて?」
「分かった…。」
ここで俺は初めてアンナイに異世界人だと明かして、異世界転移する前の自分が受けた行いの数々とこの世界での後輩や上司のことを話した。
「ここまで来るとさ、俺が世界から見放されているのじゃないかと感じてしまうんだ。頑張ることしか俺は取り柄がないからな…。」
この話を聞いたアンナイは笑顔になって、快に向き合った。
「たった一つの取り柄があるのは人として良いこと。いけないのはそれに目を瞑って何もしないこと。一つの取り柄でも自分や人のために最大限に活かせることはできるのだから。」
「あ、アンナイ。」
「それに私やジウ、快の後輩ちゃんがあなたのことを思っているからこそ、今、こうして喋れるのよ。どこかで誰かはあなたのことを見てくれている。そう思って胸を張って。私もジウも後輩ちゃんもあなたを失いたくないからね。だって私にとってあなたは」
アンナイは毎度お馴染みのように間を開けた。
「"最高の楽しさを提供してくれる救世主"の一人なのですから!」
快にとって、何を言っているのか分からないが元気は出てきた快であった。
「励ましてくれてありがとう、アンナイ。」
「どういたしまして。」
このように話しているとジウも合流して、3人と1匹はアンナイが買ったという家に向かった。
アンナイはここに来て、すぐに不動産のところへ行き、家を即買いしたのである。そして、アンナイが買ったのは立派な一軒家だった。
「フフッ。へそくりを使ったかいがあるってものね。」
「俺、こんな家に住んだことがない…。」
「俺もだ。」
快は生まれたときからずっとアパート暮らしで、ジウも街で住んでいたのはアパートもどきだったのだ。
「快、ソラ君、ジウが満喫できる家を選択したつもりよ。」
「まさか、自分の部屋を?」
「もちろん持てる。」
すると、快とジウは家の中にすぐに突撃していき、部屋争奪戦が始まった。そんな二人を見守り、クスッと笑うアンナイであった。
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今回も読んでいただきありがとうございます。レベル2ステージ3いかがだったでしょうか?
今回でアンナイが優しいのか優しくないのか怪しい発言をしています。これは個人的な裏裏話なのですが、アンナイが個人的には作ったことがあるキャラの中でアンナイがトップ5に入るレベルで好きなので、ここまで色濃いキャラなったのです笑。
それでは次回にてまた会いましょう