ステージ10:帰途と決意
前回までのあらすじ
村長とコブの話によって快の報酬が金1枚では少なすぎると言われた結果、魔鳥を快に引き取ってもらった。
快はその鳥にソラと名付けた。
宴を2日間満喫した快とソラは翌朝、街に帰る準備をしていた。ほとんどの人が寝静まっているなか、コブと村長だけは帰ろうとしている快とソラを見守っていた。
「おやっ、もう帰られるのですか?」
「えぇ。長居は冒険者として恥ずかしいです。」
快がそう言うと「確かに。」とコブは笑い、村長もクスッと笑ってしまった。
「安心してください。暇を見つけたら、ソラと遊びに来ますから。」
「分かりました、あまり無茶はしないでくださいね。あなた様がお亡くなりになると私も皆も悲しみますから。」
「それでは失礼致します。」
快は会釈すると二人も会釈した。そして、快とソラは旅に戻った。
と思われたが、快は最後に聞きたいこともう1つの用事を思い出した。
「村長さん。」
「なんですか?」
快はあの女性の特徴を聞いた。
「黒髪で赤い瞳をしている長身の女性の名前って何だか分かりますか?」
「その人は確か、昨日の宴にも参加しておらず、行方も分からない人ですよね?彼女の名前はジラード。元:冒険者の方ですね、確かランクはAランクです。」
Aランク冒険者?そんなにすごい人なのか、それにやはり元:冒険者か。そうでなかったらこの冒険者の服の説明がつかない。
「でも、どうして彼女のことを聞くのですか?」
「それは…」
快は二人に真実を話した。ジラードがとある機械を触っていたこと、その機械が止まったことによって伝染病が止まったこと、止めた時に舌打ちをしていたことを。
「そんなことが…聖騎士がやっている行為には見えませんね。」
「そうですよね?」
「その方が伝染病を許せないですな。」
村長さんは残念がり、コブさんは怒りを我慢していた。
「だから、俺とソラは一回、自分の街にある冒険者ギルドに戻り、とある場所へ活動拠点を移します。そこはその機械が作られた場所です。」
「どこですか、それは?」
「ロイヤル王国です。」
俺がロイヤル王国と言うと村長さんは「ロイヤル王国か」と言って、下を向いていた。コブさんも「それは…。」という顔になった。
「二人はロイヤル王国について知っているのですか?」
「良い噂は一切、聞きません。密売、人身売買は当たり前。表面上では、魔物と共存をしている風に見せますが、裏では奴隷のように操るという噂を聞きました。」
「ワシャもそう聞いております。」
集落にいたコブさんたちにも耳に入るレベルの王国か。一筋縄じゃいかないな、絶対に。
「おそらくジラードはそこに逃げたのではないかと踏んでいます。」
「なるほど…。」
「ワシャらの分もキッチリ肩をつけてくれないか。」
「もちろんそのつもりです。後、最後に1つ。」
快は誓約書を見せた。
「ガレンとミヨに聞きました。報酬は村長さんとのコンタクトがなければならないと。なので、ここにサインをこれなら少し手間が省けると思うので。」
依頼の報酬はクリアしたというのを依頼者に確認を取った上で、いただくらしい。だから、今のうちに誓約書を書いてもらい、その手間をカットするのが目的である。
「快様は少し変わっていますね。分かりました。」
村長さんが誓約書にサインした。これで俺はこの村に今は用事がなくなった。
「それではお元気で、快様!あなた様から受け取ったこの村は絶対にあなた様のことを忘れません!」
「さようなら!」
と言い、俺とソラは村を後にした。
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今回も読んでいただきありがとうございます。ステージ10いかがだったでしょうか?
今回も裏話みたいになりますが、一言。あの女性やらその女性やらの表記ばっか使用していたので少し疲れてました笑。今回やっと名前を出すことができたので「やったぜ。」と思いました笑。
それでは次回もお会いしましょう。




