ステージ6:50年前の出来事(1)
前回までのあらすじ
快はゴブリンの集落に着き、見たものは縛られてしまったフォレト村の村長。
快は隠れて話を聞き、事情があるのを飲み込むと男性のゴブリンたちと軽く戦闘をして気絶させて集落の中にいた女性のゴブリンに説得を試みた。
快は気絶させた男性のゴブリンの皆を起こして、話を聞いてもらうように女性の方々に頼んだ。なんとか説得に成功して、快は話始めた。
「まずはあなた方の集落へ入ったことを心より謝罪する。途中から話を聞いていましたため、その話を気にし始めました。だから説明をお願いいたします。この集落で何があったのか。」
快がそう話すとゴブリンの皆は悩み始めた。村長さんは「あんた、ゴブリンとしゃべれるのか!?」みたいな顔になっていた。すると、一人の長老と思われるゴブリンが現れた。
「ワシャこの集落の最長老:コブじゃ。この場にいる誰よりも分かるのでなぁ。じっくり聞いておくれ。」
「よろしくお願いいたします。」
快は村長さんに通訳という形で座り込んだ。
「事の発端は50年前じゃ。昔、この集落を含めて周りはワシャらの村であった。最初は平和でのぉ、ワシャもその当時は青年じゃったから、楽しかったわい。まさに順風満帆な時じゃった。」
そこでコブの顔が暗くなった。
「突然、人間たちが襲ってきてな。ワシャらは共存を求めたが人間たちが一方的にワシャらを殺戮した。その時の人間の目は今でも忘れないのぉ。血眼になっておった。」
それだけ殺意があったということか。
「ワシャらはそれで当時の村を9割捨て、この集落へ移り住んだ。というわけじゃ。」
快が頷いていると、村長が口を開いた。
「その話を聞くと、こちらにも責任があるやもしれぬ。だが、ワシらは突然、移住させられたのだ。だから、ワシらを襲っても何もでないぞ。」
快はそう言っていると伝えた。
「わかっておる。最初はすぐにでも取り戻そうとしたが、移住させられたあなた方を見て止めていたのじゃ。でものぉ、この集落だけでは資源が回らぬ。飢餓に落とされ、子供は倒れていく。それに加えて」
そこでコブは息を吸い込んだ。
「なぜだか知らぬが、ゴブリンだけの伝染病がちょうど移住が行われてすぐに流行ってな。それで薬の調合を試みようと思ったのじゃが、どうしても足らなかった!だから、仕方なかったのじゃ!ワシャらだけじゃどうしようもないのじゃ!」
その瞬間、コブは泣き崩れた。周りのゴブリンたちは「長老!」と言いながら、駆け寄った。村長は「そんなことが…。」と言い、下を向いた。でも、俺は冷静でいた。何者かの意図を感じる。突然移住させられた村長たち、50年前から流行っている伝染病、血眼になっている人間。誰かが裏で糸を引いてでもなければ、ここまでのことが同時に起こり得ない。
快が考えてる中で村長が立ち上がった。礼をした。
「これまでの愚行を心から謝罪いたします。ワシらがこう行っても説得力はないが、ぜひともお願いしたい。ワシらと共存共栄をしていかないか?」
快が通訳して言ったが、コブは少し残念そうな顔をした。
「気持ちは嬉しいが、ワシャらもどうにかせにゃならないことがある。だから、今は」
「分かっています。だからこそ薬の調合もとい伝染病の拡大防止を我々が行います。」
村長の顔はガチであった。だからコブは
「良いのか?」
と言った。
「もちろんです。」
その瞬間、コブは村長に抱きついた。
「ありがとう、ありがとう!」
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今回も読んでいただきありがとうございます。ステージ6いかがだったでしょうか?
今回はいきなり情報の大渋滞になりましたが、少しこういう要素も入れてみるのもいいかなと思い、入れてみた所存です。現状、私から言えるのはこれぐらいです笑。後書きを何も考えてなかったものですから笑。
それでは次回もお会いしましょう。