プロローグ:日常の終わり
今日も良い日だ………だとは思ったことがない。憎きブラック企業め!
この男は永瀬 快、ブラック企業[凍境ブラックPR]で働く社畜の一人である。このブラック企業は地球上に存在するブラック企業の最上位に入るレベルのブラック企業であり、何でも屋みたいな機能をするのである。だから、危険はたくさんあるのだ。
「快先輩、この企業を恨むのではなく自分も恨むべきです…。」
この女は社 仁美。快の後輩の社畜である。
「いやいや、この前話しただろ。間違って入れさせられたって。」
「そういう人の方が珍しいというかレアというか、幻みたいな話なので少し嘘っぽく聞こえてしまうのです。すみません。」
仁美は過去の自分のやんちゃだった時期が影響してこのブラック企業に入ったが、快の場合は仕事探しをしてくれる会社でホワイト企業だと偽って報告を受けていたのである。
「お前ら、ちゃんと働いてるか?働いてなかったら、月収を鬼のように下げるぞ!」
「もう下がり過ぎてそんなこと言われても困るのだが。」
「そうですよ、止めてくださいよぉ。」
この男は快と仁美の上司である黒柳 一正。毎回の如く、快と仁美にとんでもない一日の目安を定めて、二人の給料を奪っていく悪魔のような男だ。
「黙れ!お前らが俺の目安ができないから悪いのだろうが!」
「あれを一日でやるのは無理無理。」
「その通りです。」
「うるさい!とっとと今日の仕事に移るぞ!」
一正が二人の言葉を遮って仕事を渡してきた。そこには時間旅行の設計図と書いてあった。
「えーっと、つまり?」
「今からその説明をするから、ついてこい!」
二人が一正に連れられて来たのは一つの研究室とそこで働く人たち。そして、機械だ。
「そこの設計図にある通り、今日のお前らの仕事はこいつらとその機械を作り終えるということだ!」
つまり、俺と仁美とここにいる連中でこの機械を完成させろと?無理だろ、これ。仁美も無理だと思っているのか苦笑いしていた。
「無理ですって!これを完成させるのは!」
「無理は嘘付きの言葉だ。とっとと始めろ!」
今日も残業徹夜が当たり前か…。と思いながら、快は肩を落としながら作業に入ろうとした。その時だった。
バゴーーーンッ!!!!!!!!!!
いきなり目の前の機械が爆発したのだ。しかもそれと同時にブラックホールが現れたのだ。
「す、吸い込まれる!」
俺と仁美は近くの物にしがみついた。すると、上司が俺たちの足を掴んできたのだ。
「助けろ!お前ら!」
「無理無理無理!」
仁美は泣きながら、上司をヒールで蹴った。すると、上司はブラックホールに吸い込まれていった。
だが、俺たちもすぐにそのブラックホールに吸い込まれた。俺はこの瞬間、死ぬことを確信した。
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今回はエピローグであらすじ部分の事実を書きました。本格的にスタートするのは次の話からなのをご了承ください。
読んでいただき、ありがとうございます。次回でお会いしましょう!




