辺境の加護姫
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「見て見てお父様ー!綺麗な真珠を見つけたのよー!」
キラキラと輝く珊瑚色の髪を靡かせながら、白いワンピースを着た少女が満面の笑顔で手をふっている。
「どれどれ見せてごらん。ほんとに綺麗な真珠だ。よく見つけたね」
お父様と呼ばれたその男性は、小さな少女を見つめて優しく目をすぼめた。
「あのね、お父様。これお母様にプレゼントしてもいい?お母様は生きているとき海が大好きだったんでしょ?だったらきっとこの真珠のことも気に入ってくれると思うの。ダメ??」
少女は父親の顔をうかがいながら尋ねた。
「お母様にあげてもいいのかい?ネックレスとかに加工して、自分で持っていてもいいんだよ?」
「ううん。お母様にあげたいの。だって私が初めて見つけた真珠なんだもの。初めては一度きりでしょう?自分の分はまた探すからいいの。」
「そうか。お母様もきっと喜ぶだろう。お墓によってプレゼントしてから帰ろうか?」
「いいの⁈ヤッター!お父様ありがとう。そうと決まれば早く行きましょう!」
「こらこら慌てない!転んだら危ないだろう。お父様と手を繋いで行こう。」
今にも走り出しそうな小さな少女の手をとって、2人は海辺をあとにした…
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